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our faceの肖像2004/日本に暮らす様々な人々3141人を重ねた肖像 ©Ken Kitano

 

□会期:2005年7月1日(金)〜8月7日(日) *木曜休廊
□時間:12:00〜19:00

□オープニング・パーティー
7月1日(金) 18:00〜
*終了しました

 

□作家によるトークイベント


©北田祥喜

*こちらから、イベント当日の写真がご覧になれます。

7月15日(金) 18:00〜
ゲスト: 吉川 直哉
(宝塚造形芸術大学助教授、写真家)
*終了しました

 

□写真集「our face」

A4判変形、定価3400円+税
ISBN4-89625-072-9
発行:窓社

 

 

□our faceプロジェクトの経緯

1999年 初めてのテスト撮影を東京都内のスタジオで行う。以降、全国各地で取材、撮影を開始。

2002年 ウエブサイトを開設。Yahoo, MSN他各検索エンジンで注目のサイトとして取り上げられ、開設当初、一日に数万件の高アクセスを受ける。
ウエブサイト開設を機に参加型アートプロジェクトとして始動。六月から週間SPA!で不定期連載「北野謙のour faceプロジェクト」が始まる。以降、読売新聞、アサヒ芸能、毎日新聞、雑誌「編集会議」写真特集、雑誌「広告」写真特集、他、新聞、雑誌、TV等で取り上げられる。

2004年 東川フォトフェスタにて「our faceプロジェクトin 東川」として、東川町幼児センター子供たちの 「our faceの肖像」を制作。これをもとに制作した5分間の映像をフォトフェスタ「写真の町カメラアングル」で上映される。

2004年12月現在、このプロジェクトに参加して撮影させて頂いた人は約59の集団、3,141人余。

2002、2004年に清里フォトアートミュージアム(山梨県)に永久コレクションされる。

2004年 「写真の会2003年度作品賞」受賞。6月にギャラリー新宿プレイスMにて受賞展。

 

□our faceプロジェクトとは

何枚もの肖像のネガを均等に正確に重ねて焼き付けてゆく・・・。
原宿の少女、東京の会社員、南の離島に暮らす人々、房総の漁師、etc。
10人、20人・・100人と人数が増えるごとに、印画紙の上に浮かび上がる肖像からは、個の輪郭が溶け、年齢や表情すらも曖昧な「our face=私達の顔」が立ち現れます。

数年前から私は、全国各地の職場、地域、学校、祭りの人々、家族、ファンやサポーター、信仰の人々など・・、さまざまな人々の現場を訪ねています。同時にいま生きているさまざまな立場の人々の話を現場で聞き、そしてやはりその人たちの場所でポートレート肖像写真を撮影しています。そしてこのプロジェクトでは全員の肖像を丁寧に重ねて焼き付けた「our faceの肖像」と呼んでいる一枚のポートレートを制作しています。
そこにはひとりひとりの輪郭は薄く溶けてしまいますが、その人々がもつ固有な「時間と光」が一枚に結晶しています。ゆうまでもなく、人々の文化や存在には優劣はありません。このプロジェクトは様々な立場の人々の存在を、一切の大小や上下をを付けずに、さながら連綿と連なる鎖のように、横に横に水平に連ねて行きます。それはたくさんの人々の存在が関わる大きな、そして中心のないイメージの円環のようなものです。今後このour faceの円環は、コソボ、アフガン、N.Y.・・、世界各地の様々な立場に置かれている人々の存在を連ねながら無限に続いていく予定です。
(our faceの肖像は私たちの平均値的な肖像と捉えることも可能ですが、このプロジェクトはいわゆる平均顔研究や顔の分析論等、民族の起源論をするためのものではありません。)

いま、globalという言葉が盛んに使われます。本当に世界はグローバルになっているのでしょうか?どこか、アメリカとか東京とか、ある一つの「中央」を中心にしてそこから円を描くように内側に向かって、 均質な人間やイデオロギーが存在してゆく構図があるばかりのglobalにも思えます。その均質な円の周辺や外側にいる人々、そこに入ることを潔しとしない人々を排除したり、無視していくような構図があるようにも感じます。世界に中央など存在しません。世界はたくさんの「ローカルの集積」によって成り立っているのだと私はイメージします。盛んに言われるglobalという言葉を、そんなふうに、個やlocalの集積として、誰もが持っている顔というイメージのなかに捉え直そうというプロジェクトです。
重なり続ける一枚の肖像はあなたの肖像であり、同時に全部のひとの肖像です。

 

北野 謙

 

 

□北野 謙 Ken Kitano

1968年 東京都に生まれる。
1991年 日本大学生産工学部卒業。
在学中に写真部に入り関東学生合同写真展に参加。「491」の写真の批評会に参加し批評家福島辰夫氏に会う。卒業後 (有)インテンスインクに所属し、寺崎誠三助手を経て1993年よりフリーランス。

1994年 個展「溶游する都市」(I.C.A.C.ウエストンギャラリー)
1997年 グループ展サンマリノインターナショナルフォトミィーティング(イタリア)
1998年以降メキシコ壁画運動の壁画作品、建築の撮影を始める。
2000年 ペルーアンデス地方の教会建築を撮影(文部省の調査プロジェクトに参加)、企画展「HUMANSCAPE」展(清里フォトアートミュージアム)
1996、1997、1998、2002、2004年 ヤングポートフォリオ展(清里フォトアートミュージアム)
2004年 写真の会賞受賞、受賞展「our face」(ギャラリープレイスM)

コレクション:清里フォトアートミュージアム、日本芸術文化振興会新国立劇場舞台美術センター資料館

>>web site http://www.ourface.com/

 
 

 



2005年7月21日
更新
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