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上野博和写真展「今日も、おうちへ帰ろう。」

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□会期:2007年9月29日(土)〜10月9日(火) *水曜休廊
□時間:12:00〜18:00(最終日17:00まで)

 

作者コメント:

福岡から大阪に出てきて、もう10年にもなってしまう。
大阪に出てくるときは考えもしなかった・・・。

母ちゃんが癌になった。しかも末期だ。
余命は半年と宣告されたが、もって3ヶ月がいいほうだと後で聞いた。
電話で聞く声はしっかりとしていた。
とりあえず実家へ帰る。大丈夫そうだ・・・。

母にはお茶の心得があった。
僕が両親に勘当された時、それを解消する条件で入れられた禅寺とも親交を深めていた。

だから、一期一会とはこういうことだと身をもって、凛として笑顔も絶やすことのない人だった。
その笑顔に少し安心し、「遺影でも撮っておこうか。」という感じでこの写真は始まった。

でも、「じゃあ、またね。」が最後になるかと覚悟して、でも、後ろ髪を引かれながら僕は大阪へ戻る・・・。
この1年半それが続いた。

現実は、甘くない。徐々にカメラを向ける笑顔が無理やりになっていく。
頼むから頑張ってくれという願いは叶うのだろうか。
どんなにしんどそうな時に、カメラを向ける僕に母は笑いかける。

でも、日々を追うごとに、強気で弱気な母がレンズの前に露呈される。
なんで、そんな母を記録しているのか、わからなくなる。
多分、母も分かっていない。
そのくせに、ここで撮ってとリクエストすらしてくる。
なんだろう。
別れ間際の写真は大抵いつも失敗する。後ろ髪を引かれながら
また、僕は大阪へ戻る・・・。

もう、来週は帰ってこなくていいよと母ちゃんは言う。

だけど、次の日曜も実家へ帰ろう。

’07年8月2日現在、母は生きている。

それだけでいい。

 

上野博和プロフィール

1973年 生まれ
2002年 大阪芸術大学 芸術学部 写真学科卒業
2005年 宝塚造形芸術大学社会人大学院 映像造形研究科 修士課程 修了
   
現在 学校法人 西沢学園 大阪コンピューター専門学校 フォトグラファー科 主任講師
   
主な個展 放蕩息子のため息/ギャラリーアートグラフ(銀座) 2002年
その他、グループ展等多数
   
主な受賞 ミオ写真奨励賞2001 入選
中国延辺東北アジア国際大学生撮影作品公募展芸術部門第3位入賞(中国吉林省/中華人民共和国)
 
 

 

08/10/02 更新

 
     

 

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