作者コメント:
日の出20分前、僕らを包み込む都市の空気は、不安定で過渡的な状況を迎える。その時間帯には、都市は、かすかに、しかしはっきりと一つの有機体のような様相を呈する。都市を構成するあらゆるモノ達があたかも有機体の細胞組織(=tissue)のように感じられるのだ。
それぞれの都市には起源があり、そして長い時を経ていく中で大きな変貌をとげ、僕の知らない未来には廃墟となり朽ち果てる。都市は確実に、一つの大きな生命のサイクルをたどっていると言えるだろう。
闇に紛れてカメラをセットし、闇の濃度が低くなりつつある状況に立ち会うことを続ける体験は、僕自身もその時間帯に新しい生命力を帯びていく体験でもある。そうした感覚が僕の身体を通り過ぎる時、はっきりと感じる。僕もこの有機体の一部(=tissue)なのだと。
なお、この写真展は会期の2週間前よりはじまる同一作家による写真展「日の出20分前 #1 void」(於NADAR/OSAKA)と連携して、より広がりをもった都市像を見てい ただく企画の第2部です。
「日の出20分前 #1 void」は、NADAR大阪(大阪、心斎橋)にて会期2007年10月2日(火)〜10月7日(日)で行われます。
>>日の出20分前―杉岡一郎写真展 webサイト
□杉岡一郎プロフィール
1967年生まれ |
兵庫県出身 |
2000年4月 |
1年間、インターメディウム研究所にて写真を学ぶ |
2002年9月 |
2人展「融解/昇華」NADAR/OSAKA |
2003年9月 |
個展「光景 osaka」NADAR/OSAKA |
2004年9月 |
個展「日の出20分前 twenty minutes before sunrise」NADAR/OSAKA |
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現在 |
建築写真家として活動 また都市と建築の関係に焦点を当て、都市風景の作品制作を行っています。 |
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