展覧会概要

YARTGALLERY × gallery 176 交流展

タイトル:「入隊前夜 -soldier」

作家名:姜 在求(カン・ジェグ)

会場

gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

会期

2023年2月24日(金)〜3月7日(火)

休廊日

3月1日(水)、2日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 西川善康/友長勇介

協力

姜美善

展示概要

TOTEM POLE PHOTO GALLERYの元メンバー 甲斐啓二郎さん、現メンバー 姜美善(カン・ミソン)さんに紹介・仲介いただき、今年2023年より、YARTGALLERY(韓国・ソウル)と gallery 176 の交流展を始めます。その第一弾として、gallery 176にて、姜在求(カン・ジェグ)写真展「入隊前夜 -soldier」を開催します。

YARTGALLERY代表であるジェグさんの作品は、徴兵されて軍に入隊する韓国の若者を、様々な撮り方で捉えています。徴兵制の無い日本人にとっては、普段見ることが無い若者の姿です。これまでとは異なる世界へと向かう若者たち、彼らは何を思ってカメラのレンズを見つめていたのでしょうか。これらの写真から、日本、関西の人たちは何を感じ取るのでしょうか。

会期前半は、ジェグさんも来日し、在廊する予定です。ぜひ、ジェグさんと語り、作品ついて感じたことを伝えてください。

gallery 176 西川善康

作品説明

「入隊前夜 -soldier」は、韓国社会だけが持つ特殊な分断の現実の下で、徴兵制を義務的に強いられる若い青年らのポートレート作品である。

この作品は、軍に入隊する前日に髪を切る前とその後、そして休暇の時期、除隊後の民間人になった時で細分化して撮影した。軍の訓育とコントロールにより同質化、画一化されていく過程で、彼らに潜んでいる個人の本来の姿を見せるため、ヌード写真の形式を選んだ。

人間は、誰しも生まれてから、数知れぬ心理的な変化の瞬間に立ち向かうことになる。思いも寄らない環境と状況の中で、人間が感じる心理的状態、すなわち不安や緊張感、恐れなどの感情の変化を視覚的に表現することに挑んだ。軍に入隊後、訓育と規律の下での生活を余儀なくされ、人生の中での決定的転換期に立つ青年たちの不安の心理を、顔の表情と仕草を通じて自然に表せるようにした。

入隊の前日、生まれて初めて裸で不慣れなスタジオの中に立つ青年は、心理的に不安に包まれているだろう。入隊の前であり、民間人の身分であるが、髪を切る前の表情と、短く剃った直後の心持ちと表情が、大きく異なっているのがよくわかる。軍人の身分になるという決意を、微細な表情から感じ取れる。撮影の台座に座り、裸になった自らの体を手と腕で抱え込むポーズは、緊張の気持ちを思わず表すある種の非言語的表現である。心理的状態は、顔のみならず体からも表現される。

作品「入隊前夜-soldier」は、短くは1年、長くは4年間の年月をかけて、一人の個人が変貌していく姿を、シリーズ形式で制作した。裸から自らの存在を証明するヌードポートレートでありながら、軍入隊という人生の変化を余儀なくされる時期の、彼らの不安な感情を含めようとした心理的ポートレートでもある。衣服を着用して撮られるポートレートとは違い、服を脱ぎ、裸になったことによる、彼らの心理的状態の変化を表現した。

展示構成

調整中

 

会期中の作家在廊予定

作家姜在求さんは、会期前半2月24日(金)〜26日(日)に在廊予定です。変更がある場合は、こちらのページ、facebook、twitter、Instagram等でお知らせします。

gallery 176の感染防止対策に関して

*ご来廊の際は、「gallery 176の感染防止対策に関して」をご一読ください。

関連イベント

トークイベント

開催日時

2023年2月25日(土) 17:30〜19:00

出席者

姜在求(カン・ジェグ、展示作家)、オ・ミンス(写真家)、姜美善(カン・ミソン、通訳)

参加費

無料

定員

15名(要予約)

申込み方法

Peatixのページからチケット(無料)をお申し込みください。

≫ トークイベント申込み(Peatix)

姜在求写真展「入隊前夜 -soldier」トークイベント映像

≫ 姜在求写真展「入隊前夜 -soldier」トークイベント映像(YouTube)

プロフィール

姜 在求(カン・ジェグ)

1977年ソウル生まれで、桂園造形芸術大学写真芸術科を卒業し、中央大学一般大学院造形芸術科デジタル写真卒業。

個展

兵士証明(2010)
民主の肖像(2010)
12mm(2012)
Soldier(TOTEM POLE PHOTO GALLERY、東京、2018)
姜在求写真展-怒った顔で振り向け、2022 など

グループ展

20代作家の挑戦·IN&OUT(コニカギャラリー、東京、日本、2003)
ソウル国際写真フェスティバル(ギャラリールックス、2006)
一民視覚文化4-青、小、年(一民美術館、2009)
写真批評賞 10年の軌跡-時を読む(ソウル市立美術館慶熙宮分館、2009)
Contemporary Korea Photo Exhibition of Four Young Photographers(ガーディアンガーデン、東京、2013)
2013ソウル写真フェスティバル-時代の肖像·肖像の時代展(ソウル市立美術館西小門本館、ソウル、韓国、2013)
Five Views from Korea(Noorderlicht Gallery、グロニンゲン、オランダ、2014)

作品集

12mm(KT&Gサンサンマダン、2012)
Soldier(mug、2018)
12mm(Noonbit写真家線60、Noonbit Publishing、2019)
KANG JAEGU PHOTOGGAPHY(mug、2019)

受賞

第6回写真批評賞受賞
第4回KT&Gサンサンマダン韓国写真家支援プログラム(SKOPF)最終作家(2011)に選出

コレクション

KT&Gサンサンマダン
一民美術館
東江写真美術館
M2ギャラリー(日本)

webサイト

http://www.kangjaegu.com/

 

YARTGALLERY(ソウル、韓国)

多様なジャンルとメディアアートを基盤として、アートのイベントおよび教育、展示などを企画するチームである。様々な芸術家がメンバーとして活動に協力している。メンバー全員が作家であり、様々な社会状況と問題を芸術作品を通して表現することを試みている。

YARTGALLERYは単なる形式的なメディアアートではなく、現代社会と触れ合い、すでに一般的になった様々なメディアを使って、韓国社会を眺めるメタファーを作り上げている。そして、作家と企画者のみが共感できる展示ではなく、一般大衆も十分に楽しむことができる双方向的な芸術展示を開催している。また、若い作家たちの展示と継続的な作家活動も支援している。

YARTGALLERY代表の姜在求(カン・ジェグ)は、作家活動だけでなく、様々な公共美術プロジェクトの作家として参加している。また、YARTGALLERYは2017年から現在まで東京新宿のTOTEM POLE PHOTO GALLERYと活発な韓日交流展を行っている。2022年は、ウラジオストクのアルカ(Arka)ギャラリーと、韓国とロシアの交流展を行った。

http://yartgallery.kr/