展覧会概要

タイトル:「Migration」

作家名:西岡 潔

会期

2016年10月8日(土)〜10月23日(日)

休廊日

10月12日(水)、13日(木)、19日(水)、20日(木)

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜祝日 11:00〜17:00

内容

ギャラリー空間に置かれたヴィーナス石膏像、その前に座ることでヴィーナス像に自身の顔が投映され、古代の美の象徴であるヴィーナス像と自身が重ね合わされます。

プロジェクターの光を通し、あなたの像はヴィーナスと合わさり、時空間の隔たりを越え重ね合わされた自身をどう解釈する事ができるでしょうか。

写真インスタレーションと写真作品の説明

立体である人の顔をカメラとプロジェクターを通すことでいったん平面化します。それを、再度立体の石膏像へ投影させたものを、もう一度カメラで撮影し、平面へと置き換えた写真作品です。壁面にその工程で撮影された写真を額装し展示いたします。

空間に立体と平面を重ね合わせ繰り返す事により、変質していく過程を体験できるように、合わせてインスタレーション形式の展示も行います。

会期中の西岡さんの在廊予定

会期中、10月8日(土)、9日(日)、10日(月・祝)、15日(土)、22日(土)、23日(日)は、作家 西岡潔さんが在廊を予定しています。
*在廊予定は変更になる場合があります。変更になる場合は、Facebookのgallery 176のページでお知らせします。

10月10日(月・祝) の開廊時間について

10月10日(月・祝)は有料イベント開催のため、15:30~18:00はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、11:00〜15:30、または18:00〜19:00にお越しください。
*当日は、15:30に一旦ギャラリーをクローズし、15:50から有料イベントの受付・入場を開始します。

関連イベント/トークイベント「Migration」

開催日時

2016年10月10日(月・祝)  16:00〜18:00

出席者

勝又公仁彦(美術家、写真家)× 西岡潔

料金

1,000円

申し込み方法

こちらのフォームからお申し込みください。

上記フォームから送信ができない場合は、info@null176.photos 宛に、お名前・参加人数・ご連絡先(お電話番号・メールアドレス)をご連絡ください。

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勝又公仁彦 プロフィール

早稲田大学法学部卒業、インターメディウム研究所修了。
大学在学中より文芸、絵画、写真、映像などの作品制作を始める。
国内外で様々な職業に従事した後、作品発表を開始。インスタレーションから出発し、現在では写真を中心とした映像メディアで作品を制作。
多様な被写体のもとで「時間」「光」「場所」「空間」などをサブテーマに、常に写真と映像の構造に触れる作品を展開。
日常の中に現象しながらも知覚される事の無かった世界を掬い取ることで、観る者を新たな認識へと誘うとともに、歴史・社会・文明への批評的な暗喩を込めた作品展開を続けている。

主な展覧会に
「Photography 写る、写す7人の現代作家」(大阪府立現代美術センター、2001年)
「風景の余白に:写真」(東京日仏学院、2002年)
「写真の現在2―サイト-場所と光景」(東京国立近代美術館、2002年)
「Natura Morta 」(Leica gallery Solms、個展、2006年、ドイツライカ本社)
「Dwelling」(世田谷美術館主催、個展、2008年)
「勝又邦彦展」(森アートセンター六本木ヒルズクラブ、2011年)
「都市の無意識」(東京国立近代美術館、2013年)「あいちトリエンナーレ2016」(岡崎康生会場、「トランスディメンション ―イメージの未来形」2016)など。

主な受賞に「さがみはら写真新人奨励賞」(2001年)、「日本写真協会新人賞」(2005年)。
主な作品集に『Skyline』2008、『cities on the move Ver.2012』2012、『Hotel Windows』2015。

東京国立近代美術館、世田谷美術館、沖縄県立博物館・美術館など国内外の主要なコレクションに作品が収蔵されている。

現在、京都造形芸術大学専任講師。多摩美術大学非常勤講師。

ステートメント

「Migration」

ファッションデザインを専攻していたころヨーロッパに向かった。

そこには、場に刻まれた独自性や脈々と受け継がれている物を感じ取ることができた。

洋服をデザインするうえで、それらを確かめることは不可欠ではあったのだが、自身が生活する日本の環境とは大いに違いがあり、その事実を目の当たりにすることで大きなインパクトを身に受けたのである。

石造りの建物、彫像が当たり前のようにあり、光や色の違い、漂う香り、乾いた空気や、水の味、そして必然と身にまとうものも形成されていた。

それとはまた違う環境が自分の住んでいる地にもあった。
彫像が仏像であり、街角に佇むお地蔵さんであり、祈りをささげる礼拝堂が、お寺の大きな木造建築であり、ステンドグラスから差し込む光は、神社の整えられた空間に、杉の大木や樹木から差し込む光であり、そこを吹き抜ける風だった。

そして夕方になれば鐘楼の音が聴こえるのである。

それから十数年たち古道具屋でヴィーナスの石膏像が目につき、家に連れ帰った。

私たちにはここにいる理由があり大きな時間の流れの中にたどり着いた場所でもある。

紀元前2世紀末に制作されたと云われる、愛と美の女神であるミロのヴィーナス、その頃日本は弥生時代

人類がアフリカ大陸から移動をはじめたのが5~10万年前といわれ

その早い段階のアラビア半島から、ヨーロッパやアジア、違う方向へ別れ進んで定着し今に至る。

大阪で生まれ育った私、知ることができる範囲のルーツとしても、縄文時代から人が住み始め今に至る奈良の都祁、そして四国徳島の祖谷、今は奈良の吉野郡に住み始め、ルーツでもある都祁にも近い場所に身を置く。

物の移動や情報の行き来が爆発的に速くなった現代の中でも、変わらず蓄積されたものが身体の内や意識に存在していて、数万年の民族移動を経て今ここに存在していると、ひしひしと感じるのです。

ヴィーナスが制作された紀元前2世紀末の時代と美、時間や距離、移動に意識を向ける行為として自身をヴィーナスに投影、重ね合わせ視覚化された存在を認識し確認する。

そしてその存在を、カメラという装置を用いて写真に定着させる。

西岡潔 プロフィール

1976年大阪市出身
2015年9月から東京と奈良県の東吉野村との二拠点生活をはじめました。
習慣や常識的な事柄をもう一度それでいいのか考える事に
社会からいつの間にか消えてしまいそうな、記憶にかすかにとどまる光景を写真におさめています。
場に存在する空間と時間そして人間
そこに関わってきたであろう存在を意識し写真を撮る行為をする。
代表作に「マトマニ」
書籍、月刊誌、コマーシャルと幅広い活動をする。

月刊誌エルマガジン、ミーツにて延べ4年間、聖地を紹介する連載「フロム聖地」を空間快楽ユニット「Fernich」でも活動
2013年には空間快楽案内「気持ちのいい聖地」関西版(青幻舎)も出版

岩井俊二監督作品 「市川崑物語」にて写真 参加

Publication

空間快楽案内「気持ちのいい聖地」関西版(青幻舎)
「いい階段の写真集」パイインターナショナル
「いいビルの写真集」パイインターナショナル

Awards

第14回(2012年度) 三木淳賞奨励賞受賞
第2回(2013年) キャノンフォトグラファーズセッションファイナリスト

Exhibition

2015/02「20」 Roo/T648101 Neogallery
2014/10「消えて現われ集束する」 西根ナーレ
2013/11 「知覚過敏」(fernchi)セイアンアーツアテンションVol.5 成安造形大学
2013/11 生きた建築X写真 大阪ダイビル本館
2013/08 第2回キャノンフォトグラファーズセッション ファイナリスト展 キャノンオープンギャラリー品川
2013/08 INDEPENDENT LIGHIT Vol.3 東川町国際写真フェスティバル
2013/01 三木淳賞奨励賞受賞作品展 大阪ニコンサロン
2012/12 三木淳賞奨励賞受賞作品展 新宿ニコンサロン
2012/09 西岡潔写真展「マトマニ」 大阪ニコンサロン
2012/06 西岡潔写真展「マトマニ」 新宿ニコンサロン
2012/01 写真展 KOBE*HEART vol.3 〜東北にとどけよう、神戸から〜
2010/10「あをにそらい」小野なほよ氏と2人展 入江泰吉記念奈良写真美術館
2006/09「樹海」平澤直治氏と二人展beats gallery
2005/12「How are you POTOGRAPHY?」写真展参加 ギャラリーマロニエ
2005/11 個展「マホロ」beats gallery
2004/10 企画展「自然写真展」beats gallery
2003/10 個展「まなざし」beats gallery
2001/08 個展「FRAGMENT OF MEMORY」ギャラリー六式

西岡潔 webサイト

http://www.nishioka-kiyoshi.com/