展覧会概要
タイトル:放浪する・セルゲイ草柳の世界
作家名:セルゲイ草柳
会期
2018年3月30日(金)〜4月10日(火)
休廊日
4月4日(水)、5日(木)
開廊時間
13:00〜19:00
*2018年3月30日(金)より、土曜、日曜祝日の開廊時間が平日と同じ 13:00〜19:00 に変更になります
企画
gallery 176 木村準、友長勇介
作品説明
セルゲイ草柳は写真家であり、詩人であり、科学者であり、幽霊である。
彼が撮ったおびただしい数の写真を見ていると、それはいつ、どこで、誰が、何のために記録したのかを見失う。我々は日ごろ、写真を見て、どのような現場の雰囲気の中で作者が何を感じながら撮影したものであるかを無意識に探ろうとする。セルゲイ草柳の写真はそれを許さない。さながら時間や場所を超越した存在である幽霊がほうぼうを彷徨い、その網膜近くに染み込んだ視線を裏側から見ているかのような感覚に陥る。
手漉き和紙を手で裂いて印画紙とし、画像を定着させる乳剤には泥や草の汁、時には自らのDNAが混ぜられる。でき上がった写真はひび割れ、皺が寄り、ムラがあり、さながら動物や人間のひからびた皮のようだ。これを写真と呼んでいいのだろうか。そう、標本だ。セルゲイ草柳自身の標本。この世を彷徨い、あらゆるものを吸収して絞り出された彼の肉体。その表面の一部である。幸運なことに私はこの標本をいくつか所有しているが、それは箱に入れられることを拒み、壁に貼られることを拒む。
結果として私の部屋に立てかけられ、時には机の上から私を観察している。
幽霊には存在する理由がある。それはこの世に対する愛ではないかと思う。
山縣 勉(写真家)
展示概要
2010年〜2017年にかけて、パリ、ベネチア、日本を撮影した作品
手透き和紙や流木に泥や草の汁を混ぜた自作の乳剤を塗布しプリントをした作品
A3サイズ 20点、A4サイズ 10点、流木作品 10点
*展示枚数が変わることがあります。
会期中の作家在廊予定
作家セルゲイ草柳の在廊は、4月7日(土)のギャラリートークの時間帯のみの予定です。在廊予定に変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。
4月7日(土) の開廊時間について
4月7日(土)は有料イベント開催のため、13:00〜14:30はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、14:30以降にお越しください。
*当日は、12:50から有料イベントの受付・入場を開始します。
関連イベント
ギャラリートーク「放浪する作家の独り言」
開催日時
2018年4月7日(土) 13:00〜14:30
出席者
セルゲイ草柳(写真家)
料金
500円
定員
35名
*終了後、セルゲイ草柳さんのサイン会を予定しています(イベント参加者限定/サインは会場で購入された写真集に限定させていただきます)。
申し込み方法
*料金は当日会場にてお支払いください/当日は12:50からイベントの受付を開始します。
関連写真集
タイトル:空(くう)の中の散歩Ⅱ
作家:セルゲイ草柳(写真家)
判型:261 x 369 mm / 80ページ
価格:5,000円 + 税
プロフィール
セルゲイ草柳(せるげい くさやなぎ)
略歴
1940年 横須賀市出身。少年時代、基地の少年として送る。鉄一貫60円。アカはその3倍
この時代で私の私は終わる。それ以降は現在まで付録
1972年 宮崎県の山中にて自給生活
1979年 ロンドン ハムステッドに移住
1983年 福岡へ帰国し、仕事の傍らフィルムによるモノクローム作品始める
2005年 購入した印画紙に違いを感じ、手漉き和紙を支持体にしての印画紙を自作し始める
以後、全ての作品を焼き付けている。その後苦労する
2013年4月 作品を風呂敷に包み、妻と二人でヨーロッパのギャラリーを歩き回る。ベネチア、ローマ、マドリード、バルセロナ、モロッコ、パリ、ポルトガル(コインブラ、アルファマ)
撮影もしていたため、暴漢に会うこと数度。もうダメか…と思ったこと2度、その都度妻に助けられる
2013年 秋、ポルトガル コインブラにて個展
秋、富士フィルム福岡にて個展
2014年5月 パリ バスティーユにて個展
10月 福岡県美にて個展
11月 パリ ルーブル美術館 フォトフィーバーにて展示
2015年9月 東京銀座ギャラリーにて個展
10月 富士フィルム福岡にて個展
11月 パリ ルーブル美術館 フォトフィーバーにて展示
2016年11月 パリ ルーブル美術館 フォトフィーバーにて展示
11月 田川市美術館開館25周年記念アーティストの反骨精神「沸点」に出展