© Gen Nakahira / Courtesy of Osiris

展覧会概要

タイトル:「氾濫」

作家名:中平 卓馬

会期

2018年8月17日(金)〜8月28日(火)

休廊日

8月22日(水)、23日(木)

開廊時間

13:00〜19:00
*一部雑誌等で土曜、日祝日の開廊時間が11:00〜と紹介されていますが、開廊時間は全日13:00〜19:00となります。ご注意ください。

企画

Case Publishing、gallery 176

協力

Osiris

作品説明

 《氾濫》は、1974年に開催された「15人の写真家」展(東京国立近代美術館)のために中平が制作・出品した、48点のカラー写真からなる横方向6メートル、縦方向1.6メートルにおよぶインスタレーション作品です。壁を這う蔦、路上のマンホール、大型トラックのタイヤ、ガラス越しにみる水槽の鮫、地下鉄内……《氾濫》の写真群は、写真家が日々遭遇し捕獲した都市の断片−−それらは情報と商品、そして事物が氾濫する都市空間の無気味な裂け目にも捉えることができるでしょう。

 本展では、同名写真集(Case Publishing)の刊行に合わせ、分解した写真集を貼り合わせることでギャラリー壁面にインスタレーションを再構成。制作から40年以上を経たいま、中平の写真的思考と実践を改めて読み解く一端となれば幸いです。

*今回の展示は、写真集を分解再構成したもので、作家のオリジナルプリントの展示ではありません。

 

関連書籍

「氾濫」中平卓馬

中平卓馬、戦後日本写真史に燦然と輝く伝説の写真家。森山大道の生涯のライバル。
彼の1974年発表のインスタレーション作品《氾濫》の全貌と細部が、印刷物となって初めて甦る。

出版社:Case Publishing
価格:3,456円(税込)
判型:364 x 257 mm
頁数:64頁
製本:ソフトカバー
発行年:2018
言語:英語、日本語

プロフィール

中平 卓馬(なかひら たくま、1938-2015)

東京生まれ。東京外国語大学スペイン科卒業後、雑誌『現代の眼』編集者を経て、60年代半ばから写真を撮りはじめ、同時期より雑誌に写真、映画、メディアに関する執筆を開始。68〜69年には多木浩二、高梨豊、岡田隆彦、森山大道とともに写真同人誌『プロヴォーク』を刊行。70年に写真集『来たるべき言葉のために』を上梓した後、73年には映像論集『なぜ、植物図鑑か』で、それまでの自作を批判的に検証。77年に篠山紀信との共著『決闘写真論』を刊行直後、病に倒れて生死の境をさまよい、記憶の大半を失うが、翌年から撮影を再開。2003年には横浜美術館で初期から2003年にいたる800点におよぶ作品群による「原点復帰ー横浜」が開催され注目を集める。以降も旺盛に撮影・発表を継続。没後の2017年には、シカゴ美術館で「Provoke」展と併行して個展「Circulation」、台北で個展「Takuma Nakahira」が開催された。中国語(簡体字、繁体字)、スペイン語、カタロニア語で評論集が翻訳出版されている。

 

プレスリリース