展覧会概要

タイトル:「夢の中で倫理が生まれる」

作家名:原田 健一

会場

gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

会期

2021年7月17日(土)〜7月27日(火) *会期初日の曜日が通常と異なります

休廊日

7月21日(水)、22日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 友長勇介

開催概要

2003年新潟市にある新潟絵屋という、大正期の町屋を改装した画廊で写真展を開催させていただきました。 この写真展を企画してくれたG&S根雨の石井仁志さんと一緒に会場に来られたのが、当時新潟大学教授で今年3月に退職をされた原田健一さんでした。

原田さんとの会話の中で、原田さんが学生の頃から実験映像を制作されている事を知りました。私も写真を始める前に実験映像に興味があった時期があり、当時イメージフォーラムフェスティバル会場だったキリンプラザ大阪に通い、山崎幹夫監督の作品を観に京都のMETROに行くなどしていたので、原田さんの作品も観たいと思いながら、長い間観れずにいたのですが、昨年1月に新潟市にある砂丘館で開催された原田健一映像展「夢の中で倫理が生まれる」で原田さんの動画作品と写真作品を観る事ができました。

観させいただいて、ぜひ gallery 176 でも展示していただければと、お声をかけさせていただいたところ、快諾していただきました。たくさんの方に、原田さんの写真作品、映像作品を見ていただければと思っております。

gallery 176 友長勇介

作品説明

映像『夢の中で倫理が生まれる』は、1996年アイルランドのアラン諸島の動画と、2019年にいがた島の写真によって構成された複合的な作品であり、プロジェクトです。2020年の現在から1996年のアラン諸島の記憶の夢をたどりつつ、 2019年に写された新潟の映像の記録をつなげる。「ここ」と「あそこ」を架橋しようとする試み。「あそこ」とはアラン諸島のイニシュモア、イニシュマーン、イニシィアの島々であり、「ここ」とは潟だったどこにも存在しない、にいがた島なのです。

「ここ」と「あそこ」、2020年の現在と、1996年の動画の世界をつなげるべく設定された場所は、にいがた島にある砂丘館でした。砂丘館では展示上映会場である蔵で堀川久子が踊り、写された映像との距離を埋めるべく、時にスクリーンをくゆらし、ゆるやかにゆがませ写されたアラン諸島の映像と身体をからませました。映画『夢の中で倫理が生まれる』は、2020年の砂丘館の展示上映空間を写し、そこでのパフォーマンスを記録しつつ、アラン諸島の動画へと移動し、再び、砂丘館の日本家屋での儀礼となり、再び島の映像となる。組み込まれた時間と空間が幾重にも重ねられ、過去と現在、目の前の現実とが複雑に交錯し、映像が創発する新たな時空間を現出させようとします。

原田健一

展示構成

動画『夢の中で倫理が生まれる』 63分
写真 A3のび(カラー、インクジェット)40枚 
A0版(カラー、インクジェット)3枚 他

 

会期中の作家在廊予定

作家原田さんの在廊日は土曜、日曜に変更いたしました。申し訳ございません。変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

gallery 176の感染防止対策に関して

*ご来廊の際は、「gallery 176の感染防止対策に関して」をご一読ください。

関連イベント

トークイベント1「場所とわたしを、つなげる映像とは」

小池照男、新作『生態系29』を上映します。事情により小池さんがZoomでの参加になる可能性があります。

開催日時

7月17日(土) 15:00〜16:30

出席者

小池照男(映像作家)×原田健一

参加費

500円

定員

8名

小池照男 略歴

1951年生まれ、映像作家、1981年より『生態系』シリーズを制作、『衝』(ハンガリー、RETINA1996映画祭審査員特別賞)

 

トークイベント2「逃れるもの、ゾミア的な映像とは」

開催日時

7月19日(月) 15:00〜16:30

出席者

菊地暁(京都大学)×原田健一

参加費

500円

定員

8名

菊地暁 略歴

1969年生まれ、京都大学人文科学研究所、民俗学、著書『柳田国男と民俗学の近代』

 

トークイベント3「流れ出すもの、残されない映像とは」

開催日時

7月24日(土) 15:00〜16:30

出席者

林田新(京都芸術大学)×原田健一

参加費

500円

定員

8名

林田新 略歴

1980年生まれ、京都芸術大学、写真史/写真論、論文「アーカイブのパラドックス」(『スクリーン・スタディーズ』)など

 

トークイベント お申し込み方法

メール、またはお電話でお申し込みください。

メールでのお申し込み

info@null176.photos 宛に、件名を「原田展トーク」とし、本文に参加者氏名、人数、連絡先電話番号、参加されるトークの日付をご記入の上、お送りください。

お電話でのお申し込み

050-7119-9176 宛に、参加者氏名、人数、連絡先電話番号、参加されるトークの日付をお伝えください(休廊日、開廊時間外は、留守番電話にメッセージを残してください。後日折り返し連絡いたします)。

関連外部イベント

原田健一映像個展

6プログラムにわけて全作品の上映を行います(有料)

上映期間:2021年7月30日(金)~8月1日(日)
会場: Lumen gallery(ルーメン ギャラリー)

*この上映会は、外部の企画です。詳細については、Lumen galleryにお問い合わせください。

 

原田 健一(はらだ けんいち)

1956年 東京生まれ。
1978年 原将人、よしのまことらのライブ映画運動に触発され、『あがれゆぬはる加那』を制作。
1980年 東京経済大学経済学部卒業。田中冺らによる身体気象に参加する。
1983年 ブラジルなど約1年、漂流し、『Cuidado!』を制作。
1986年 『月日の光』制作のため、京都・大阪に約1年半、居留。ヴォワイアン・シネマテークの平田正孝、櫻井篤史、青井克己、小池照男、大谷淳らと交わる。
1992年 和歌山県田辺市にある南方熊楠邸の調査に、これより約13年間、参加する。
1996年 映画『あがれゆぬはる加那』で使っていた音源をもとに、CD『あがれゆぬはる加那―里国隆』(ジャケット写真:濱谷浩)をオフ・ノートよりリリース。以後、オフ・ノートの神谷一義とメタ・カンパニーの高沢章雄と交わり、オフ・ノートのライブを撮影する。
2000年 東洋大学大学院に入学。
2005年 東洋大学大学院修了、映像メディアの研究で博士〈社会学〉取得。
2008年 新潟大学人文学部・教授として赴任。新潟で、地域映像アーカイブ・プロジェクトを始め、日常生活にある映像を発掘、デジタル化し閲覧できるシステムの構築、ならびに研究を始める。また、堀川久子と20年ぶりに会い、以降、堀川のパフォーマンスを継続的に撮影。
2021年 新潟大学、定年退職となる。

個展

1979~1982年「はるかなショー」として、『あがれゆぬはる加那』シリーズを上映。(東京・渋谷:プルチネラ、神田:スペースZOOなど)
1984年『Cuidado!』(東京・恵比寿:スペース50)
1990年『月日の光』(京都:法然院講堂、東京:渋谷音楽館ホール)
1994年『家族製造計画』(東京・早稲田:aptギャラリー)
1999年 映像のコスモロジーⅣ「原田健一個展」(神戸:ギャラリー2001)
2020年『夢の中で倫理が生まれる』(新潟:砂丘館)

グループ展

1992年「映像ネットワークVIEW in 軽井沢 1992」『紋様を歩く』を上映。

出版物

『岡田桑三 映像の世紀――グラフィズム・プロパガンダ・科学映画』(川崎賢子との共著) 平凡社 2002年
『南方熊楠 進化論・政治・性』平凡社 2003年
『ドキュメンタリー映像集成――文化・記録作品でよむ現代日本』第1期(12巻)+第2期(12巻)DVD(吉原順平・渡部実・原田健一共監修)紀伊國屋書店 2006年・2011年
『映像社会学の展開―映画における遊戯とリスク 第2版』学文社 2012年
『戦時・占領期における映像の生成と反復』知泉書館 2019年

企画・プロデュースした主な展示

2015年「光の記憶」展 池田記念美術館
2019年「村の肖像」展 新潟県立歴史博物館