展覧会概要

1839當代藝廊(台湾)×gallery 176(日本)交流展 in 大阪

タイトル:「客家ソナタ」

作家名:黄 弘川

会場

gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

会期

2023年6月16日(金)〜6月27日(火)

休廊日

6月21日(水)、22日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176、1839當代藝廊

キュレーション

邱奕堅(1839當代藝廊)

展示概要

 1839當代藝廊(台湾)× gallery 176 交流展として、gallery 176にて、香港出身台湾在住の作家黄弘川(ウォン・ウァン・チュン)さんの写真展「客家ソナタ」を開催します。

 コロナ禍前の2019年8月〜9月に、gallery 176で台湾作家による最初の交流展を開催し、今回は2回目の交流展となります。2023年5月〜6月には、台湾・台北の1839當代藝廊にて、gallery 176の作家の写真展を開催しています。また、2023年年末または2024年年明けに、同じく台湾の作家 陳伯義さんの写真展「石人」も開催を予定しています。

 6月17日(土)には、作家 黄弘川さんと、本展キュレーターの邱奕堅さん(1839當代藝廊オーナー)をお迎えして、トークイベントを開催します。お時間ありましたら、ぜひお立ち寄りください。

作品説明

 長期に渡り撮り続けられている本シリーズのテーマは、“移動する民族”と言われる「客家」の人々の現実感と郷愁感である。「客家」は、中国大陸南部の広東省、福建省、江西省などへ北部から移住した人々がつくった独特の生活様式を持つコミュニティであり、土着民からは“外来の人”として差別の対象となった。しかし彼らは反骨心や自立心が強く、太平天国の乱を率いた洪秀全、辛亥革命の孫文、現代中国の最初の実力者となった鄧小平等の革命家や革新者を多数輩出している。

 客家はもともとは華北(中国北部)をモンゴルなどの北方系遊牧民族に征服された北宋時代に南へ移住した漢民族の子孫とされる。その言語である客家語は、現在の公用語である北京語が北方民族の影響で大きく変化してきたのに対し、古い中国語の発音を正確に残す。円形土楼と呼ばれる独自の集団住居に住み、団結心が強く、教育熱心で、行動力に富み、海峡を超えて台湾にも多数の人々が移り住み、あちこちに客家集落を形成してきた。

 「客家ソナタ」の撮影地である北埔は台湾の客家移住地として最大規模の地域であり、写真家は8年近く継続して客家の生活と住人たちを凝視してきた。特に客家の人々の儀礼や葬儀に惹きつけられ、そのプロセスを丹念に撮影している。

 「ここで暮らすようになり、私は週に一度は必ず葬儀に出くわすようになり、たくさんの葬列を目撃してきた。死と生の力がぶつかり、混じり合い、新たな何かへ再生してゆく。目の前のものすべてが一度、崩壊し、再び立ち上がってゆくかのようなこの周期的循環は私の意識に沁みわたり、この独特の感覚と折り合いをつけるために写真撮影を始めた。私は人生の切り離された要素と要素の間の隠された関係を見出すかのようにして撮影を続けている。」

 今なお古くからの習慣や伝統を守り続ける客家の人々の日常と現実を、自ら“外来の人”として写真家は匂い立つような、力漲るスタイルで記録している。

伊藤俊治(美術史家/東京藝術大学名誉教授)

展示構成

ゼラチンシルバープリント、20x24inch及び16x20inch、計30点(予定)

 

会期中の作家在廊予定

作家黄さんは、6月16日(金)、17日(土)に在廊予定です。変更がある場合は、こちらのページ、facebook、twitter、Instagram等でお知らせします。

関連イベント

トークイベント:黄弘川 × 邱奕堅(本展キュレーター)

*YouTubeでトークイベントの映像をご覧いただけます→ https://youtu.be/fgtsHez2YFw

開催日時

2023年6月17日(土) 17:30〜19:00

*トークイベント終了後、オープニングパーティー開催予定

参加費

1,000円

定員

25名(要予約)

申し込み方法

Peatixのページからチケットをお申し込みください(参加費は、当日会場にてお支払いください)。

≫ トークイベント申し込み(Peatix)

プロフィール

黄 弘川(ウォン・ウァン・チュン/Wong Wang Chuen)

1986年、香港生まれ。香港から2015年に台湾北部の北埔と呼ばれる漢人移民の多い居住地域に移り住む。北埔では大陸から渡ってきた「客家」の人々の集落を中心に撮影を続け、いまも行われている儀礼や習俗、葬式や祭礼、大陸と島々の関係やメンタリティの変容を濃やかに記録し続けている。

2022年に個展「客家ソナタ」を台湾・台北の1839當代藝廊で行い、大きな注目を浴びた。2021年には台南のフォトゴー・ギャラリーのグループ展「PHOTO GO」にも参加している。まだ30代後半であり、今後の展開が期待される香港生まれの有望な写真家である。

Instagram

https://www.instagram.com/wong.wang.chuen/

 

1839當代藝廊/1839 Contemporary Gallery(台湾台北市)

1839當代藝廊は、2009年4月に台湾の台北市で開設されたギャラリーで、現在、台湾で唯一の写真メディアを専門に扱うギャラリーです。

「1839當代」は、「写真が発明された1839年(ダゲレオタイプ/銀板写真の発明)から現在まで(from photography invention in 1839 to now)」を意味しています。

1839當代藝廊は、多くの人々が写真に興味を持ち、写真作品に対する理解と評価を深めることを目的とし、台湾を拠点に、国内外の作家の写真作品を国内及び海外に紹介、展示しています。

≫ 1839當代藝廊 webサイト

邱奕堅 Dr. Edward Chiu(1839當代藝廊オーナー)

2011年〜TAIWAN PHOTO実行委員会会長
2009年〜1839當代藝廊オーナー
2011年東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)博士後期課程修了
1994年アカデミー・オブ・アート大学大学院美術研究科(写真表現専攻)修士課程修了(サンフランシスコ、カリフォルニア州、アメリカ)
1991年日本大学芸術学部写真学科卒業