展覧会概要
タイトル:「Unveil」
作家名:波多野 祐貴
会場
大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分
会期
2020年10月9日(金)〜10月18日(日) *会期最終日の曜日が通常と異なります(金土日のみの開催です)
休廊日
10月12日(月)〜15日(木) *休廊日が通常と異なります
開廊時間
11:00〜19:00 *開廊時間が通常と異なります
企画
gallery 176 波多野祐貴
作品説明
幼い頃、家族は既に寝静まっているのに、自分ひとりだけ寝付けない夜がたびたびあった。
そういう時は心細くなって、布団をぎゅっと掴み、頭を隠して時間が過ぎるのをじっと待つ。
暗くて狭い部屋のなか、押入れの襖から発せられる視線と、他者の息づかいが静寂のもとに充満する。
私が抱いていたのは闇夜への怖さというよりも、
太陽のもとで意味をもっていた事物から、既知の意味が光とともに消失することへの恐怖心だったように思う。
巨大な団地に圧し潰されそうに据えられた小さな部屋のなか、たった一人、瞼の裏の意識を保つことは恐ろしかったし、
永遠に続くかのような夜がいつどうやって朝に生まれ変わるのか、まだ知らなかったのだ。
今回展示する写真は2016年頃から、日本、海外を含めた様々な場所で撮影してきたものだが、
土地の個別性を排除したところに立ち現れる社会空間を捉えようとした。
脈絡もなく断片的に切り取られた空間と人物は、その内に異相を隠し持っているかのようだ。
大きな物語への指向、誰かから与えられた欲望、錯綜しながら氾濫する情報。
どこへ出掛けてもそれらは変わらず、視線を巧みに躱(かわ)しながら社会の中に蔓延り、静かに浸蝕している。
私はそれらを視覚的メタファーを用いて表象することを試みた。
『Unveil』という言葉には、”ヴェールを取る”という意味と、そこから派生して”正体を現す”という意味がある。
それまで確かにそこに存在していたのに人の目に触れなかったものが、ヴェールを取り除くことで姿を現す。
境界が取り払われるその前とその後で、何かが反転し、新しいイメージが生成される。
暗黙のうちに視界を覆うヴェールを取り払って凝視しようとするとき、
昼と夜の境目が溶け合い、昼が昼でなくなり、夜が夜でなくなることだろう。
展示構成
アーカイバルピグメントプリント、インスタレーション
会期中の作家在廊予定
作家波多野は、全日在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。
gallery 176の感染防止対策に関して
*ご来廊の際は、「gallery 176の感染防止対策に関して」をご一読ください。
プロフィール
波多野 祐貴(はたの ゆうき)
略歴
1985年 大阪府生まれ
2009年 同志社大学文学部英文学科卒業
2020年 第22回写真「1_WALL」審査員奨励賞 姫野希美氏選 THE BACKYARD主催PITCH GRANT ファイナリスト選出
個展
2020年「Call」gallery 176
グループ展
2018年「FRAGMENTS 6」沖縄県立博物館・美術館1F県民ギャラリー
2019年「OPEN EXHIBITION」 HIJU GALLERY
2020年「2019年度 ヤング・ポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム
コレクション
清里フォトアートミュージアム(2019)
webサイト
https://yukihatano.wixsite.com/photo