展覧会概要
YARTGALLERY(韓国・ソウル) × gallery 176 交流展
タイトル:「明鏡止水 / CLEAR MIND AS STILL WATER」
作家名: 鄭名植(ジョン・ミョンシク / MYOUNGSIK JEOUNG)
会場
大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分
会期
2025年2月7日(金)〜2月18日(火)
休廊日
2月12日(水)、13日(木)
開廊時間
13:00〜19:00
企画
gallery 176 布垣昌邦
協力
姜美善
展示概要
TOTEM POLE PHOTO GALLERYの元メンバー 甲斐啓二郎さん、現メンバー 姜美善(カン・ミソン)さんに紹介・仲介いただき、2023年より、YARTGALLERY(韓国・ソウル)と gallery 176 の交流展を始めました。
これまで、gallery 176にて、姜在求(カン・ジェグ)写真展「入隊前夜 -soldier」、 金恩周( キム・ウンジュ)写真展 「再び、春」を開催しました。2025年3月には、gallery 176の友長と西川がYARTGALLERYにて展示予定です、
今回は、第三弾として、鄭名植(ジョン・ミョンシク)写真展「明鏡止水」を開催します。
gallery 176 布垣昌邦
作品説明
今回の展示は、生と死、混沌と静寂、そして日常と永遠を探求する旅である。僧侶の葬儀の儀式である荼毘式と仏教的な修行の瞬間を収めた「明鏡止水」は、清らかで揺るぎない心の状態を象徴し、すなわち慶尚北道の聞慶市(ムンギョン)の鳳岩寺(ボンアムサ)の方丈である寂明和尚が生涯に貫き追求した修行の核心でもある。
和尚は「湖の波浪が静まってこそ、その中にある石一つまできれいに見える」と話された。心の静けさこそが真の知恵を見つける鍵であるというその教えは、私の仕事の大事な哲学的指針となった。私は2011年から国家遺産庁(文化庁)で宮大工として勤めて、伝統的な建築物の保存とその歴史を記録している。この宮殿の仕事は、過去にお寺を造り、保存した経験から連なっている。宮大工としてお寺の伝統建築を扱う中で感じた静寂と畏敬の念いは、現在の写真作業に繋がっている。
「昌徳宮06:20 AM」は、2011年5月から昌徳宮(チャンドックン)で毎日同じ時間、同じ場所、同じ構図で撮影した写真だ。繰り返す日々の中でも変化と永遠を記録しようとした。昌徳宮は季節と時間によって、冬の星明かり、春と夏の夜明け、秋の暖かい光など、毎瞬間異なる顔を見せる。今まで13年6ヶ月間、出勤する毎日、撮影を続けてきた。今回の展示のメイン写真「06:20 AM for 595 days」は、そのうちの3年間分の写真を集めて作り上げた作品で、繰り返し続く日常の中から発見できる特別な瞬間を象徴している。また、「明鏡止水」は、荼毘式の静寂の瞬間と揺れ行く人間の姿を通じ、生と死、混乱と静寂を対比させ、観覧者に各々の内面からの深い余韻と思惟を呼び起こすことを期待している。
週末にお寺を訪れ写真を撮る時間は、内側の静けさを取り戻し、人生の本質に向き合う大切な瞬間だ。修行者らの儀式や荼毘式、そして僧侶の肖像は、生と死の境界で我々が進むべき方向を示唆している。
宮殿での職業的な日常とお寺での撮影は、異なる空間に見えるが、私にとっては同じ脈絡で結ばれる作業である。宮殿の復元作業は伝統建築の美しさと時間の流れを悟らせ、お寺での撮影はその中で内面の静けさを発見させる。反復の中で見つかる変化と静寂の中で出逢う真実が、今回の展示を通して観覧者の方々に伝わりますように。幾つもの人生の瞬間が集り歴史となり、その歴史は再び私たちの人生を映す鏡となる。
展示構成
調整中
会期中の作家在廊予定
作家鄭(ジョン)さんの在廊予定は、決まり次第こちらでお知らせします。変更がありましたら、こちらのページ、facebook、X(旧twitter)、Instagram等でお知らせします。
関連イベント
トークイベント
開催日時
2025年2月8日(土) 17:30〜19:00
*トーク終了後、オープニングパーティー開催予定
出席者
鄭名植(ジョン・ミョンシク、展示作家)、姜在求(カン・ジェグ、YARTGALLERY オーナー)、姜美善(カン・ミソン、通訳)
参加費
無料
定員
15名(申し込み不要)
プロフィール
鄭名植(ジョン・ミョンシク / MYOUNGSIK JEOUNG)
国家遺産(文化財)と無形の伝統文化を視覚的に探求する宮大工であり、写真家です。
ユネスコ無形文化遺産に登録された宮大工の技術を受け継いだ私は、ソウルに位置する「4大宮殿」と「宗廟」、「朝鮮王陵」の建築物の補修と復元作業を20年以上行ってきました。この過程で積み重ねてきた経験を基に制作された私の写真は、伝統と現代との対話を通じて、遺産は依然にも生き続けて過去の価値が歴史的継承を通して未来につながることを表します。
2007年から韓国をはじめ海外にて多数の写真展を開催し、作品を発表しています。現在は韓国のドキュメンタリー及び純粋芸術写真家たちを支援する「Naverドキュメンタリーイメージアーカイブ*」の指定作家としても活動してます。
*韓国を代表するポータルサイトNaverが選ぶドキュメンタリー写真家の作品をアーカイブし、支援する写真専門アーカイブ。
Selected Solo Exhibitions
2024 ‘Serene mind (明鏡⽌⽔)’, Gallery 051, Busan
2024. ‘Confucianism and Buddhism’, Gallery G94, Seoul
2023 ‘An Insider’s View from World Heritage Site Manager’, Special Exhibit, World Heritage City Forum, Suwon 2023 ‘Korea. Uncovered’, Art BBakground Gallery, Gwanju, South Korea
2022 YART+, ‘Jeoung Myungsik Photography Exhibition, YArt Gallery, Seoul
2020 ‘The Palaces of Korea. Uncovered’, 291 Gallery, Lotte Avenuel, Seoul
2019 ‘Music Connected: The Jazz’, Gallery Okki, Seoul
2018 ‘Korea. Uncovered’, Museum of Contemporary Art, VVSU, Vladivostok
2018 ‘Temples of Korea. Uncovered’, Hanok Fair, Seoul
2016 ‘Beyond’, Jincheon Bell Museum, Jincheon, South Korea
2014 ‘Prototype’, Madagascar Gallery, Seoul
Selected Group Exhibitions
2024 ‘Check In Photo Fair 2024’, Jeju
2023 ‘Brisas De Corea 2023’, Las Palmas De Gran Canaria, Spain
2023 KOTE POTLUCK ART FESTIVAL 2023, Insadong KOTE, Seoul
2022 ‘Small Events_再- ⽣(Re – Life)’, Gallery Mona Lisa Sanchon, Seoul
2022 ‘Temple Story: Dabi (茶毘)’, Bium Gallery, Seoul
2021 To. Vladivostok, Yart Gallery, Seoul
2019 ‘Seoul Romance’, Korean Cultural Center, Paris, France
2019 ‘O M NIB U S+⼈’, International Photo Festival, Jeonju
2019 ‘Seoul Romance’, Korean Cultural Center, Rome, Italia
2017 ‘K-Housing Fair’, Museum Fürkunsthandwerk, Germany
2017 Seoul Photo 2017, Leica Exhibition, Coex, Seoul
2016 The 3rd Suwon International Photo Festival – Buddhism Photo Exhibition, Suwon Art Museum
Collections
Museum Fürkunsthandwerk, Germany
Korean Traditional Culture Training Center
Art Space J Gallery, South Korea
Documentary Image Archive, Invited Member, Naver Corp., South Korea
webサイト
YARTGALLERY(ソウル、韓国)
多様なジャンルとメディアアートを基盤として、アートのイベントおよび教育、展示などを企画するチームである。様々な芸術家がメンバーとして活動に協力している。メンバー全員が作家であり、様々な社会状況と問題を芸術作品を通して表現することを試みている。
YARTGALLERYは単なる形式的なメディアアートではなく、現代社会と触れ合い、すでに一般的になった様々なメディアを使って、韓国社会を眺めるメタファーを作り上げている。そして、作家と企画者のみが共感できる展示ではなく、一般大衆も十分に楽しむことができる双方向的な芸術展示を開催している。また、若い作家たちの展示と継続的な作家活動も支援している。
YARTGALLERY代表の姜在求(カン・ジェグ)は、作家活動だけでなく、様々な公共美術プロジェクトの作家として参加している。また、YARTGALLERYは2017年から現在まで東京新宿のTOTEM POLE PHOTO GALLERYと活発な韓日交流展を行っている。2022年は、ウラジオストクのアルカ(Arka)ギャラリーと、韓国とロシアの交流展を行った。
https://www.instagram.com/yart_gallery/