山縣勉展「涅槃の谷」
展覧会概要
タイトル:「涅槃の谷」
作家名:山縣 勉
会期
2017年3月8日(水)〜3月19日(日)
*会期始まりの曜日が通常と異なります
休廊日
3月9日(木)、10日(金)、15日(水)、16日(木)
*休廊日の曜日が一部異なります
開廊時間
平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 11:00〜17:00
作品説明
親が私を産んだ歳よりずっといってから子どもが産まれた。私の二世だ。同じころ、年老いた父が癌にかかった。その治療方法を調べるうちに、癌に冒された人が集うという東北の谷のことを知った。
山に埋まった岩から強力な放射線が飛び出し、川は沸騰して流れている。モウモウと湧き上がる煙の切れ間から、山を中心に人が点々と横たわっているのが見える。その光景を初めて見たときに私は涅槃図を思い出した。寝そべる仏陀を中心に十名の高弟たちが思い思いの格好で過ごす絵は、煩悩が消え去って悟りが完成された最終境地を表すという。
すべてが剥がれ落ちた人たちから苦悩や焦りは感じられない。性別さえ薄らいで、安寧な世界への準備と循環する生への期待を思わせる。一段上に形なく存在しているかのようなこの場所に私は通いはじめた。徘徊し、ゴツゴツした岩に座ってゆっくりと息を整え、父や幼い息子のことを考える。
山縣 勉
展示概要
「涅槃の谷(ねはんのたに)」は、2011年から2016年にかけて秋田県仙北市の玉川温泉で撮影された、私的ともいえるドキュメンタリー作品です。作者が幼いころに聞かされていた最期の光景、今世と次世の狭間をこの地に照らし合わせ、父や子を思いながら湯治場に身を置き続けます。
本プロジェクトは海外のグラント(製作助成金制度)を取得し、またドイツライカ社のプロジェクトサポートを受けて製作されました。
銀塩モノクロ約25点と動画インスタレーションで構成。
合わせて写真集「涅槃の谷」(ZEN FOTO GALLERY, 2016年)を販売します。
展示協力:禅フォトギャラリー
会期中の山縣さんの在廊予定
山縣さんは、3月8日(水)、11日(土)、12日(日)に在廊の予定です。在廊予定に変更・追加がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。
3月11日(土) の開廊時間について
3月11日(土)は有料イベント開催のため、14:30〜17:30はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、14:30まで、または17:30以降にお越しください。
*当日は、14:30に一旦ギャラリーをクローズし、14:50から有料イベントの受付・入場を開始します。