松原豊写真展「知立」

展覧会概要

タイトル:「知立」

作家名:松原 豊

会期

2020年6月5日(金)〜6月14日(日) *通常と会期最終日の曜日が異なります

休廊日

6月8日(月)〜11日(木) *通常と休廊日が異なります

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 松原豊

作品説明

私が愛知県知立市に演劇の記録撮影のためはじめて訪れたのが2013年。駅前では再開発が緩やかにはじまっていた。「まもなく無くなる風景だな」と少し意識しながら1年間ほど主に駅前での撮影を進めた。酒を呑むために入ったスナック「函館」では北島サブちゃんの肖像画が飾ってあった。初めて入ったその店で私は調子にのりカラオケを歌い呑んだ。そして酔った。あれから7年ほどの月日が流れ電車越しに見る駅前の風景は随分と変わっていた。

展示構成

インクジェットカラー作品、撮影年 2013年

関連展示

2020 Spring Photo Exhibition 松原豊写真展「知立」

会場:gallery0369|514-2113 三重県津市美里町三郷369番地
会期:2020年4月10日(金)~13日(月)、17日(金)~20日(月)
開廊時間:13:00〜18:00

 

会期中の作家在廊予定

作家松原は全日在廊予定です。在廊予定が変更になる場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

来場される方へのご協力依頼について

 緊急事態宣言は解除されましたがCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が治まったわけではありませんのでお客様をはじめ、gallery運営関係者の健康に配慮し、以下の感染防止対策について注意をしながら写真展を開催させていただきます。

  • ご来廊の際はマスクの着用をお願い致します。
  • ギャラリー入口にて手指消毒用の消毒液をご用意しておりますので来場者は消毒をお願い致します。
  • 発熱や咳、咽頭痛、だるさや息苦しさなどの症状があるお客様はご来場をご遠慮ください。
  • スペース内の利用に関して、1度にご来場いただける人数を5名程度とさせて頂きます。混雑が発生した場合は入場制限をすることがございますのでご了承ください。
  • 万が一関係者などから新型コロナウイルス発症があった場合、連絡を差し上げられるよう、来場者の方にはご連絡先の記入をお願い致します。(ご記入いただく連絡先、氏名などの個人情報については各展示来場者としての記録以外には使用することはありません)
  • 人と人との間隔を充分に開けながら作品鑑賞をおこなってください。
  • オープニングパーティー、トークイベントなどは、今回展示再開する松原展では行いません。以後の展示に関連したイベントなどについては今後の状況により判断させていただきます。詳細についてはgallery176のwebサイト、SNSで随時ご確認をお願い致します。
  • スクーリングなど大人数でのご来場は当面の間お断り申し上げます。
  • ギャラリーでは換気をしながら展示を行います。在廊担当者は手洗いや消毒、マスクの着用、スペースの清掃などをしっかりと行います。

 皆様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。ご来場を心よりお待ちしております。 

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友長勇介写真展「写真素志Ⅱ」

©︎ TOMONAGA Yusuke

展覧会概要

タイトル:「写真素志Ⅱ」

作家名:友長 勇介

会期

2020年3月13日(金)〜3月24日(火)

休廊日

3月18日(水)、19日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 友長勇介

作品説明

街を歩き、気になる人、物、風景、出来事に出会った瞬間にシャッターを切った写真群です。

展示構成

ゼラチンシルバープリント、点数未定

 

会期中の作家在廊予定

作家友長は全日在廊予定です。変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

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吉岡さとる写真展「Whatever is sensible, Beauty distorts. No.2」

©︎ Satoru Yoshioka

展覧会概要

タイトル:「Whatever is sensible, Beauty distorts. No.2」

作家名:吉岡 さとる

会期

2020年1月31日(金)〜2月11日(火・祝)

休廊日

2月5日(水)、2月6日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176

展覧会紹介

 吉岡さんとは、以前gallery 176のメンバーだった杉さんからの紹介で知り合いました。
その後、高知からたびたびギャラリーにお越しいただき、ご自身のアメリカでの活動経験を踏まえて、メンバー個人の活動についてアドバイスをいただいております。2018年のTAIWAN PHOTO 2018にも、ゲストとして参加していただきました。

 以前から吉岡さんの写真展をgallery 176で開催できればと考えていたのですが、吉岡さんからご了承をいただき、実現することができました。

 トークイベントの開催も予定していますので、ぜひ、吉岡さんの写真とトークをお楽しみください。

gallery 176 友長勇介

作品説明

1990年10月3日、カリフォルニア州サンディエゴの自宅で東西ドイツ統一のニュースを見た。大勢の人々の歓喜の姿が映し出され心のなかであの場所へ行くしかないと思った。

友人にカメラを担保にお金を借りその日の飛行機でベルリンへ飛び、ベルリンの壁沿いにある美術館へ向かった。前日のニュースで見た大変なお祭り騒ぎは静まっていた。しかしあたりには余韻、匂い、熱さが漂い、特別な場所に来た、来てしまったそんな気持ちにさせられた。

今回の展覧会は30年間の私の写真の原点を見つめ直すものです。ここにはベルリンで展示した4作品も含められています。しかし、全く同じものではなく30年間の年月を加味した今の作品となっています。(写真のネガは楽譜のように演奏者/製作者によって解釈が変わる。変わり得るのです。)

1980年代後半、私はドイツ表現主義の画家に憧れていました。エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー、オットー・ミュラー、エーリッヒ・ヘッケル等、私にとってドイツ表現主義絵画は内面をえぐるようにさらけ出す美:内側から外側へ向かって放出されるエネルギーを感じる物でした。(これはあくまでも個人的な感想です。)

ある意味、絵画は何も無い白いキャンバスから始まり、それを内側からのエネルギーで満たしていく作業だと思う。それに対し写真のキャンバスは混沌とした実際に目にすることができる実世界ですでに満たされており、それを長方形/正方形の四角の枠で切り取り、整頓し、写真制作の工程を経て作品を作り出していく。実在する世界を切り取る作業で内なる美/芸術の探求など未熟な私には、全く考えられない事だった。

1980年代後半、私はカリフォルニア・サンディエゴの大学で写真を学んでいた。西海岸の写真といえば写真家アンセル・アダムス氏、エドワード・ウェストン氏などファインアートプリント写真家達が有名だ。当然この大学でもファインアートプリント写真の影響が強く、私もゾーンシステム等の勉強をしたし、当時特に記憶に残るのは学校の旅行にてアンセル・アダムス氏のお宅ツアーに参加したり、エドワード・ウェストン氏の息子のコール・ウェストン氏のお宅へお邪魔し、ファインアートプリントを直に見る機会に恵まれた事だ。

恵まれた環境と言えば、車で1時間ほどの場所にサンディエゴ写真美術館 / Museum of Photographic Arts、通称MOPAがあり、そこには世界中の有名な写真家達の展覧会が開催され、時には世界的な写真家に直に会うことも出来た。

しかし、そんな環境の中、私は自分の写真を見つけることが出来ないでいた。そんな時に写真美術館で偶然出会ったのがドイツで出版されている写真雑誌だった。そこにはヨーロッパの芸術家が写真を媒体として使用し、表現し、芸術作品を作っていることが紹介されていた。

自分の写真家/芸術家としての方向性を感じた瞬間だった。その出会いの1年後、冒頭でのベルリンへの旅の話とつながり、私の人生を変えた雑誌主催の展覧会が美術館で開催され、それに出品することが出来た。この旅が私の写真家への第一歩となりました。

今回の展覧会は、これまで意図的に表に出してこなかった初期の写真家吉岡さとるの作品です。ご高覧いただければ幸いです。

展示構成

アーカイバルピグメントプリント約20枚、プリントサイズ:340mm x 270mm(予定)

 

会期中の作家在廊予定

作家吉岡さんは、1月31日(金)、2月1日(土)、2日(日)に在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

2月1日(土)の開廊時間について

2月1日(土)はトークイベント開催のため、17:30以降はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、17:30までにお越しください。

*当日は、17:30に一旦ギャラリーをクローズし、17:50からトークイベントの受付・入場を開始します。

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Doris Hsu 写真展「凝視 Gazing – You lead me to see the light」

© Doris Hsu

≫ 繁體中文English

展覧会概要

展覧会名:「凝視 Gazing – You lead me to see the light」

作家名:Doris Hsu

会場

gallery 176(ギャラリー イナロク)

大阪府豊中市服部元町1-6-1/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

会期

2020年1月13日(月・祝)〜1月26日(日) *会期初日と最終日の曜日が通常と異なります

休廊日

1月20日(月)〜23日(木) *休廊日が通常と異なります

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 西川善康

展覧会紹介

台湾・高雄出身のバンド「Elephant Gym」を撮り続けている高雄在住の写真家 Doris Hsu の写真展を、彼らの初めての日本ワンマンツアー開催に合わせて開催します。作家本人も来日予定です。ぜひ台湾の写真と音楽を楽しんでください。

 

 2017年のTAIWAN PHOTO参加がきっかけで、毎年台湾に通うようになりました。台湾南部の都市・高雄(Kaohsiung)には、昨年のKAOHSIUNG PHOTO(高雄攝影節)の会場訪問時に、初めて訪れました。高雄市は台湾第三の都市で、人口が約280万人と、大阪市とほぼ同じ人口です。高雄市は台北市より南に位置し、最初に訪れた10月でもかなり暑く、港町ということもあって、どことなく「ゆるい」雰囲気で、とても居心地の良い街です。台北が日本の東京、フィリピンのマニラとしたら、高雄は日本の大阪、フィリピンのダバオといった感じでしょうか。

 台湾に通うようになり、同時に台湾の音楽を良く聴くようになりました。最近は、Apple Musicなどの定額制音楽配信サービスで、気軽に台湾のバンドやアーティストの音楽を聴くことができるようになり、そこで「Elephant Gym 大象體操」の音楽に出会いました。彼らは、ギター、ベース、ドラムの三人組で、インストルメンタルの曲が多く、一部ボーカルが入っている曲もあり、他の台湾のバンドとは一線を画す存在です。彼らは高雄出身で台北で活動していましたが、現在は地元の高雄を拠点として、台湾のみならず、日本などのアジア、そして欧米でも多数のライブを行っています。この点では、大阪からアジア、世界へと活動の場を広げようとしている gallery 176 に通ずるものがあります。

 今年 2019年10月、TAIWAN PHOTO参加後、大学やギャラリーを訪問するために高雄を訪れた際、今回の作家 Doris Hsu さんに偶然に出会いました。場所は、港の旧倉庫街をリノベーションした複合アートスペース「駁二藝術特區(The Pier-2 Art Center)」です。ここは、昨年 2018年のKAOHSIUNG PHOTOの会場で、日々多数のアートイベントや映画祭が開催されており、多くの観光客が訪れる場所です。この一角に、「典像濕版攝影工藝(Vintage Wet Plate Collodion Studio)」という湿板写真のスタジオがあり、6月にも訪れていました。今回は、Elephant Gym のTシャツを着てスタジオに入ったところ、そこに彼女 Dorisさんがいて、「なんでそのTシャツを着ているの?私、そのバンドと友達で写真を撮っているんだよ」と話しかけられびっくり。その後、メッセージのやり取りで、Elephant Gymが来年2020年1月に大阪でライブをやるということを知り、思わず、「その時期に、大阪で写真展をやらない?」とメッセージを送りました。そして、翌日再び彼女と会い、写真やミニ写真集を観て、具体的な写真展開催までの話を始めました。

 その後、メッセージのやり取りを進めて行く中で、私がフォローしていたElephant Gymの写真をアップしているFacebookページが、彼女のページだということを知ったり、彼女がモノクロフィルムを愛用して自分で暗室でプリントをしていたり、彼女やバンドのメンバーが自分の半分以下の年齢と言うことを知ったりと、驚きの連続でした。

 今回の写真展は、そんな偶然が重なって開催することになりました。作家のDorisさんは、搬入前日に来日し、会期途中まで在廊の予定です。ぜひ、彼女に会い、台湾の写真の話や、高雄の話、Elephant Gymの曲やバンドメンバーの話をしに来て下さい。会場では、彼らの音楽を流してお待ちしています。

gallery176 西川善康

*今回の写真展は、Elephant Gym オフィシャルの写真展ではありません。

作品説明

彼らの音楽で満たされ、そこに光を見つけました。

良いライブとはどんなものだろうか?
人を楽しませることができたら、それは良いライブになると思います。

私は人が自分のベストをつくして楽しんでいるのを見るのが大好きです。
それは人間にとって最高の瞬間だからです。

私にとって、写真はとても大切なものです。
そして音楽も同じように。
私は写真と音楽を一緒に楽しんでいます。

Elephant Gymとの出会い

約5年間、台湾のインディーズ音楽をたくさん写真に撮ってきました。2016年、台南で聴いた彼らの「WORK コンサートツアー」のライブで、マス・ロックというジャンルの音楽を初めて知りました。

私は彼らの音楽にとても感銘を受けました。彼らの曲を聴くたび、私は飛び跳ねていました。そして、その時のライブで、彼らの音楽に完全に惹かれました。

その時から今まで、私は彼らの写真を撮り続けています。

フィルムで写真を撮る理由

私は、60年代から80年代までの音楽映画が大好きです。これらの映画は、初期のバンドの躍動感に満ちた映像を観せてくれます。フィルムで写した写真は、それほど鮮明ではなく、ぼやけているものもありますが、かつての音楽映画の様に、そこからは勢いが感じられます。

なんて素晴らしい!

そして、私はフィルムカメラで撮影し、暗室でそれらを現像、プリントすることを学び始めました。

この展覧会について

私と彼らのバンドは一緒に成長しています。私は、今までもコンサートでわくわくしながら撮影しています!

この展覧会では、2016年から2019年にかけて台湾で撮影した彼らのライブ写真(デジタルカメラとフィルムカメラで撮影)を展示します。また、彼らのライブ以外の日常の様子の写真も展示します。彼らの日常を垣間見ることができると思います。

今回の展示は、私の海外での初めての展覧会です。私の作品からなんらかのパワーを感じていただけたらうれしいです。
ぜひ、この展覧会を楽しんでください。

Doris Hsu

展示構成

ゼラチンシルバープリント、アーカイバルピグメントプリント(プリントサイズ 16×20インチ・12×16インチ、計約20枚)

 

会期中の作家在廊予定

作家Dorisさんは1月13日(月・祝)〜15日(水)に在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。

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淵上裕太写真展「上野」

© fuchikami yuta

展覧会概要

TOTEM POLE PHOTO GALLERY × gallery 176交流展

タイトル:「上野」

作家名:淵上 裕太

会期

2019年12月6日(金)〜12月17日(火)

休廊日

12月11日(水)、12日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 松原豊

概要

 TOTEM POLE PHOTO GALLERY × gallery 176交流展企画第⼆弾として、TOTEM POLE PHOTO GALLERY運営メンバー淵上裕太さんをお招きして写真展を開催します。来年7⽉にはgallery 176運営メンバー松原豊がTOTEM POLE PHOTO GALLERYで展⽰を予定しています。

 淵上さんは、松原が⾮常勤講師を務めている専⾨学校名古屋ビジュアルアーツの教え⼦になります。在学時から⼈物、特に「なかなか声をかけづらいのではないか?」と思われる⼈達に実直に向き合いながら撮影を進めること、⾃分でプリント制作することにこだわっていて、卒業後もその⽅法を変えずに作品制作を続けている教え⼦の中では数少ない写真家だと認識しています。

 今回、卒業後東京に就職してから撮影をはじめた上野公園で撮影された⼈物たちの写真シリーズを、関⻄初の写真展としてgallery 176で開催致します。⽇常あまり⽬を向けない⼈たちに声をかけながら向けた淵上さんの視線。その視線から⽣み出される⽩⿊写真の中にある「ひとりひとりの個人」という存在感を展⽰会場で確かめていただければ幸いです。

gallery176 松原豊

作品説明

ほかの人間が存在し

僕以外の人間がRPGのキャラクターでも通りすがりの影でもない。

一人の人間として存在していることを強制的に本能に訴えかけてきた。

僕は、世界に一人しか存在しないのではないか?

確かめるため、

息をするために

人と関わり撮影をしてきた。

上野は、人が人として存在している。

安らかな気持ちを与えてくれる。

夕陽に照らされた池の蓮

風に揺れる一枚の花弁

ゆっくり時を刻むごとに水面の輝きを纏っていく

人々もまた変わっていく

いまこの瞬間の『上野』が必要だった

お手製の帽子を被ったおじさん

毎月、10年間上野公園の同じ木を写真に撮りに来る新潟の人

大雪の中、誰もいない公園で『もう少し待ってみる』と笑顔で話す立ちんぼのお姉さん

同じ時を刻む人々の姿

僕は、今東京にいる。

僕たちは今を生きている

 

会期中の作家在廊予定

作家淵上さんは12月6日(金)、7日(土)、14日(土)〜17日(火)に在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。

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金村修写真展「Voodoo Doughnut」

©︎ Osamu Kanemura

展覧会概要

タイトル:「Voodoo Doughnut」

作家名:金村 修

会期

2019年11月8日(金)〜11月19日(火)

休廊日

11月13日(水)、14日(木)

*11月9日(土)はポートフォリオレビュー開催のため、レビュー参加者、見学者以外の方は入廊いただけません。

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176

概要

 gallery 176では、11月8日(金)から19日(火)まで、金村修さんのポートランドとニューヨークでの撮り下ろし約200点の写真と映像を展示します。金村さんの最新の写真と映像が創り出す空間を、ギャラリーで体感していただけたら光栄です。

 誰もが忙しいこの時代に、今一度立ち止まって、金村さんの言葉の意味を考えて欲しいと思います。この展示を大阪で開催し、それを観ることは、日々作品を創り続ける関西の作家や写真に関わる人達にとって、とても意味のあることだと思います。

作品説明

10年ぐらい前のアサヒカメラに、ある台湾の写真キュレーターが、『来るべき言葉のために』の頃の中平卓馬の写真と、森山大道の写真の区別がつかないと笑いながら語っている記事があった。ハイコントラストでブレボケの白黒写真という共通の方法論で撮られたこの当時の二人の写真を見ると、このキュレーターの言っているように、確かにどっちがどっちの写真なのかは分かりづらいし、そもそもは写真で個性が表現できるものなのだろうか。例えばストリート・スナップという括りで、様々な写真家の写真が大量に展示されているのを見たら、どれがどの写真家の写真なのか分からなくなって、最終的にはどれもみんな同じような写真に見えてくるだろうし、森山大道の写真とそのエピゴーネンの区別をつけられるだろうか。エピゴーネンの方が本家よりも上手かったりするので、そこに差異を見出すのはとても難しい。写真は大量生産された工業製品を前提にして作られたものであり、無個性で、区別のつきにくい似たり寄ったりのものしか作れないことをむしろ肯定するメディアだった。“あなたも今日から写真家!”、“誰でも良い写真が撮れる!”という新しいカメラが出る度に示されるカメラ会社の宣伝コピーが如実に表しているように、そのカメラを購入すれば誰でも写真家になれるになら、突出した個性は必要とされないだろうし、誰でも良い写真を撮れるということは、みんなと同じ写真しか撮れないことを意味している。写真は無個性で似たり寄ったりのものしか作れないということをカメラ会社が自社の宣伝コピーで既に語っているのだ。無個性なものしか撮れないカメラを写真家は使っているのだから、写真家の固有名が恩寵のごとく写真に刻印されることほど変はないだろう。固有名詞と対立するのが写真であり、写真はむしろ固有名詞の破壊者であって、複製芸術としての写真はだから、被写体から固有名詞の持つアウラを徹底的に廃棄する。例えば再撮影を例にとると、カメラで再撮影された絵画を見れば分かるように、それはオリジナルの絵画が持っていたアウラを喪失させ、無残で薄っぺらな印画紙にしか見えないように、かつての芸術的アウラを成立させていた“今”、“ここ”という場所と時の一致と一回性を複製芸術は無効にさせる。唯一としての芸術を複製可能なものに変容させることで、その唯一性を複数化すること。複製とはオリジナルの存在からアウラを奪い取る作業であり、複製をその特徴とする写真は、固有名詞が持つアウラを複製化することで徹底的に破壊するだろう。

ポートレート写真の破壊性は、写真が持つその非アウラ的性格を非常によく現している。固有名詞を持った人物が写真に撮られると、その人物の固有名詞性が剥ぎ取られ、二次元ののっぺりとした印画紙としての物質に変容させられる。魂を抜かれたポートレート写真は、その人だけが持っていた固有名詞性を喪失させ、その人そっくりの人が映っている薄っぺらな印画紙でしかなくなるだろう。固有名詞的な要素を徹底的に排除するのが写真であり、対象とそっくりに似ているものを生み出すことができる写真は、現実の人物が持っていた自己同一性を廃棄させる。「背後のないことそのもののあらわれ、軽薄なまでに表面的であることの権利」(宮川淳)。ポートレート写真には、現実の人物の同一性が映っているわけではない。それはただその人に似ているだけで、他には何も映っていない。写真は表面しか写すことができないので、その背後を写すことができないのだ。ポートレート写真のわたしは、わたしにそっくり似ているけれど、本当のわたしではないという現実のわたしとのズレを生み出し、そのズレを拡大することが写真なのではないかと思う。そのズレは本人という自己同一性の領域に回収されるのではなく、どこまでもその領域からズレることなのだ。固有名詞が持っている自己同一性を写真は廃棄するのであり、現実の対象とそっくり同じものでしかない写真には、そのような自己同一性が存在しない。写真はだからみんな同じように見えるだろう。他との差異化を図るために必要とされる個性=自分らしさを成立させるには、自己同一性が必要とされる。けれど写真の自己同一性は、写された対象に存在するので、写真はただそれに似ているだけで、自己を成立させるための同一性を対象に預けている写真には、個性を表出することができない。写真は対象にそっくりなだけで、独自の個性を持つことができないのだ。

現実の対象にそっくりなものが、いまでは現実を凌駕している。観光地の風景を見たときに、まるで写真そっくりだという感想が多いのは、観光地の写真が現実の観光地の風景を乗っ取ってしまったことの証拠であり、散々写真に撮られ、あらゆる場所にそれらの写真が流通させられたことで現実の観光地の風景は、この風景は写真にそっくりだと人々に言われるようになり、現実にそっくりな写真に現実が取って代わられた。それは現実にそっくりなだけで“軽薄なまでに表面的”なものが、現実に取って代わったのだ。68年フランス革命のスローガンだった「想像力が権力を奪う」の“想像力”が、イメージするという意味なら、イメージには必ず現実とのズレが発生する。何かをイメージすることは、何かを正しく再現することではなく、何かからズレてしまうことがイメージすることの本質ではないだろうか。写真のイメージは、被写体そっくりでありながらもそれはただ似ているだけで被写体そのものではない。むしろよく似ているけれど本物ではないということで、写真は被写体からズレつづけるだろう。「想像力が権力を奪う」とは、ドッペルゲンガーが権力を握ることであり、自己同一性を欠いたものが権力を握ることなのだ。それがそれであることの根拠を解体すること。根拠を解体された写真は、他の写真との差異を見出すことができない。差異は、それらのものがそれぞれに違う自己同一性を持つことが前提とされるのだから、同一性を廃棄された写真は全て同じに見えるだろう。

偽札が重罪として国家権力から認定されるのは、貨幣の自己同一性を揺がすことで、貨幣の信用が損なわれるからであり、それが重罪なのは貨幣の同一性が危機に晒されることに対する危機感の表れだ。真似のできない唯一ものと思われていた貨幣が、無限に複製できるのなら貨幣の同一性は維持できなくなる。偽札の流通によって貨幣の根拠が危機に晒さらされるとき、貨幣は単なる紙でしかなくなり、紙でしかない貨幣に対して、あらゆるものと交換できる交換価値を与えた国家の虚構性もまた暴露されるだろう。似ているものは、似ているその対象の同一性を解体するのであり、それは寄生している対象に向けて攻撃を仕掛ける癌のようだ。偽札は本当の貨幣が持つオリジナル性を揺がし、わたしだけが本物なのだというオリジナル性を解体することで、貨幣の根拠の無さを暴露するだろう。他の使用価値を持った商品と違って使用価値を持っていない貨幣は、あらゆるものと交換できるという交換価値しか持つことができない。貨幣には本来根拠が存在しないのであり、それ自身によって価値を決定することができず、貨幣の価値は常に外側から与えられる。貨幣の存在価値は、己が持っている使用価値ではなく、国家という貨幣の外部が介入することによって、これはあらゆるものと交換可能な商品であるという交換価値を刻印され生み出されたものだ。偽札は貨幣の持つ国家によって刻印された同一性を破壊するだろう。偽札の流通はそのような価値を付与する国家の同一性もまた根拠がないのではないかという疑問を突きつけるだろう。

芸術のアウラを廃棄させたと言われた写真は、けれど本当にアウラを廃棄することができたのだろうか。複製された対象は、複製されたということで、それは過去の存在であったことが立証される。起源は反復されたことで、それが起源だと認識されるように、複製されたことでその過去はもう二度と戻ることのない過去だと認識されることができる。一回性としてのアウラは、それが複製されて繰り返されたことで現れるのではないだろうか。起源がそうであるように、一回性はそれが二回繰り返されたことで現れるものであるなら、アウラはそれが消えてもう無いという消滅したことで現れるものであり、写真はだから消滅させたことでアウラを獲得するのだ。それは既に無いということで現れる写真のアウラは、消失点を自らの中に抱え込むことで成立する。国家が消滅することで共産主義社会が成立すると説いたレーニンの『国家と革命』は、国家の消滅のためには、強力なプロレタリア独裁に基づいたプロレタリアの国家が必要だと語っている。レーニンの語るプロレタリア独裁と国家が、それらを最終的には消滅させるという消失点を最初から抱え込むことで成立している独裁と国家であるなら、写真もまたレーニンの言う独裁と国家のようにアウラを消滅させることでアウラを表出させるだろう。今写ったこの瞬間に存在していたものは、もう存在しない。被写体という現実の存在を消滅させることで写真は成り立つ。現実を消滅させることが写真の役割であり、「想像力が権力を奪う」ように、現実に代わって写真が権力を奪う。

展示構成

六つ切 約200枚、映像作品上映(予定)

 

会期中の作家在廊予定

作家金村さんは、11月8日(金)のトークイベント、9日(土)のポートフォリオレビューのみ在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

11月8日(金)の開廊時間について

11月8日(金)はトークイベント開催のため、17:00以降はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、17:00までにお越しください。

*当日は、17:00に一旦ギャラリーをクローズし、17:20からトークイベントの受付・入場を開始します。

11月9日(土)の開廊について

11月9日(土)はポートフォートフォリオ開催のため、レビュー参加者、見学者以外の方は入廊いただけません。ご了承ください。

*当日は、13:50からレビュー参加者、見学者の受付・入場を開始します。

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鈴木郁子写真展「Reconstruction」

©︎ IKUKO SUZUKI

展覧会概要

タイトル:「Reconstruction」

作家名:鈴木 郁子

会期

2019年10月25日(金)〜11月5日(火)

休廊日

10月30日(水)、31日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 友長勇介

作品説明

もはやどこに行っても存在しない。

確かにあの場所に行き、フィルムに閉じ込めて帰ってきたはずだった。

今あるのはものを彼の地に戻っても探せない。

印画紙のうえ、フィルムから浮かび上がった像に薄いベールをかぶせるような作業を施す。

再構築〈Reconstruction〉されたプリントが観た人の網膜から記憶へと繋がっていけたらと願う。

展示構成

Cプリント:24×30 3枚、ワイド4切 12枚、半切 12枚

 

会期中の作家在廊予定

作家鈴木さんは、10月25日(金)〜28日(月)、11月1日(金)〜4日(月)に在廊予定です。土曜、日曜は終日、金曜、月曜は15:30からの在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

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坂東正沙子写真展「異種交配」

© Bando Masako

展覧会概要

タイトル:「異種交配」

作家名:坂東 正沙子

会期

2019年1011()1022()

休廊日

1015()18()  *通常と休廊日が異なります

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 坂東正沙子

作品説明

進化について

私たちはどこから来てどこへ向かうのか、「進化」を辿り創造した写真群。

有機物から細胞、真核生物と姿を変えやがてヒトになり、脳の肥大化に恵まれ思考が発達し、それにより人間は自然社会から生命維持・繁殖しやすい文明社会へと生きる環境すら変えていく。

子孫を残すことや生き延びることよりも、人生をどう生きるのかが主題となったいま、人間にとっての進化とは何か。

その過程にあったものを考察し、そして未来に向けて必要なものを探る。

構成する要素は、適応、複製、エラーの承認、リスク負担、未知の獲得等。

媒体として私的感覚と物質的な素材やメディア、他者を織り交ぜ、アナログ的手法とデジタル処理を行き来する。

展示構成

額装、インスタレーション
10作品程度を予定

 

会期中の作家在廊予定

作家坂東は全日在廊予定です。在廊予定に変更がありましたら、Facebook等でお知らせします。

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台湾報告会

TAIWAN PHOTO 2019 搬入〜展示風景

展覧会概要

タイトル:台湾報告会

出展作家

外部作家:鈴木郁子、オノナホヨ
gallery 176 運営メンバー:友長勇介、松原豊、西川善康、早川知芳

会期

2019年11月22日(金)〜11月24日(日)
*通常とは会期が異なり、3日間のみの開催です

休廊日

無休

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176

開催概要

 gallery 176は、2017年から台湾最大のフォトフェア TAIWAN PHOTO に3年連続で参加しており、今年2019年は、台北の写真専門ギャラリー 1839當代藝廊と交流展を開催し、1839當代藝廊でもグループ展を開催しました。今後も、gallery 176では、台湾の他のギャラリー等と交流展を計画しており、台湾との交流を続けていく予定です。

 今回は、10月に参加したTAIWAN PHOTO 2019の出展作品の一部、参加者が台湾滞在中に撮影した写真・映像作品の展示・上映を予定しています。また、TAIWAN PHOTO会場の様子、台湾の写真関連の施設(ギャラリー、書店等)の紹介等も予定しています。

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市川信也写真展「De Los Caminos En La Habana −ハバナの街角より−」

©︎ Shinya ICHIKAWA

展覧会概要

タイトル:「De Los Caminos En La Habana −ハバナの街角より−」

作家名:市川 信也

会期

2019年9月13日(金)〜9月24日(火)

休廊日

9月18日(水)、19日(木)

開廊時間

13:00〜19:00

企画

gallery 176 早川知芳

作品説明

 2016年4月下旬の数日間をキューバの首都であるハバナで過ごす機会を得た。その時の本来の目的地は南米のエクアドルであったが、カリブ海の向こうにある島国を是非一度訪れようと考えたのだ。その年の前月にアメリカのオバマ大統領がハバナを訪問し、ラウル・カストロ国家評議会議長と会談、両国の間で歴史的な和解が行われた。

 キューバは16世紀初頭にスペインにより植民地化され、砂糖や葉巻などのプランテンショーンが発達した。しかし19世紀末にはスペインは没落し、変わって影響力を持ち始めたのが百数十キロ北に位置するアメリカ合衆国であった。20世紀初頭には共和国として独立したが実質はアメリカの保護国であった。アメリカの資本が大量に流入し国民生活を支配し、それに抗する反乱や政変が相次ぎ不安定な状況が続いていた。しかし1940年代後半より国際連合や米州機構に参加し、国際的な地位も安定してきた。一方国内は、砂糖の国際価格の不安定が続いたが政府が有効な対策を取ることができないため、社会不安をきたしていた。1952年にクーデタにより政権を奪取したバチスタは、憲法を停止し独裁政治を行った。腐敗と弾圧が続いた独裁政権とアメリカは政治的、経済的に深く繋がりその支配力を強めていった。1950年代にはその独裁体制に反対する運動が起こり、幾多の闘争を経て山岳ゲリラ戦を戦ったフィデル・カストロやチェ・ゲバラなどが1959年1月バチスタ政権を倒し革命政権を樹立した。彼らは土地と産業を国有化し、アメリカの影響を徹底的に排除しソビエト連邦に接近した。1961年アメリカはキューバと国交を断絶し緊張を伴う対立が続いた。1991年のソビエト連邦崩壊後、深刻な打撃を受けたため、観光を振興させ一部に民営化を受け入れ再興を図ったが、共産党による一党独裁体制は維持された。2000年代に入りアメリカ人の渡航が解禁されるなど両国関係は改善に向かい、2015年には54年振りに国交が回復、2016年3月、ついにオバマ大統領がハバナを訪れたのだ。私がハバナを訪れたのは、まさにその1ヶ月後、ロシアや中国といったかつての社会主義の大国とは違う道を辿ってきたカリブの小国が、長年の敵国であったアメリカと仲直りをしてどのようになっているのか大変興味を惹かれたのだ。

 それ以前のキューバを知らないので比較して語ることもできない。滞在期間はわずか数日なので、その生活に深く分け入ったわけでもない。私がそこで見て感じた事は、ツーリストとして表層的なものに留まり、キューバの人々の生活の実態に迫るものではないだろう。私の目に留まったのは、この国のアイコンとでも言うべき1950年代のアメリカ車や道端で遊び学ぶ子供達。観光客用にレストアされた古い車もある一方で、市民が日常の足として使っているものも多い。道端の子供達の身なりは決していいものではないが、彼らの顔は屈託ない笑顔で溢れている。植民地時代からのヨーロッパ様式の古い建築に古いアメ車、これらはこの街の象徴であり、ついついカメラを向けたくなる。それらの写真がステレオタイプな観光写真だとしても、そこには、その時そこにしかない空気とでも言うべき何ものかが写されていて、アメリカという大国との関係性さえも、ラテン気質の陽気な人々の生活や街の風景の中に立ち現れているだろう。

 トランプ政権になり両国の関係は後退しているかに見える。しかしそこには変わらぬ彼らの生活が続いている筈である。私が写した2106年4月のハバナのこれらの写真の中には、苦難の歴史と共に歩んできたこの国の人々の、変わることのない気質がその歴史的な風景と共にある。

展示構成

モノクロームゼラチンシルバープリント

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会期中の作家在廊予定

作家市川さんの在廊予定は未定です。決まり次第、Facebook、Twitterでお知らせします。

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