榎本八千代写真展「20050810」

(c) yachiyo ENOMOTO

展覧会概要

タイトル:「20050810」

作家名:榎本 八千代

会期

2018年2月16日(金)〜2月27日(火)

休廊日

2月21日(水)、22日(木)

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 11:00〜17:00

作品説明

 展示されている写真は4歳の男の子の使い古された靴と服とおもちゃ。そしてその子供が住んでいたマンションの周りの風景が写っているだけです。本来ならその使いふるされたモノ達は成長ともに役目を終えて、廃棄されるべき予定のものでした。しかし、それらのモノたちは捨てられることはなく、そして誰かに譲られることもなく、ずっと戸棚の奥へ長い間、隠されておりました。

 何故ならそれは、その母親が、彼が亡くなったと言う事実をどうしても認められなかったからです。しかし、それらのモノ達は11年もの間、存在はずっと忘れられていなかったものの1度も外へ出されることはありませんでした。彼女はその事実に対して 正面から向かいあう勇気がありませんでした。自分の子供の死というのは自分の残りの人生の死でもあるからです。

 2016年の春、その子の母親であり 作者でもある榎本が しまわれていた箱から一つ一つ丁寧に取りし、カメラの前に置き、そしてファインダーを通して やっと11年前の「喪失」についてやっと考え始めることができました。それは、写真というツールを利用することにより自らの「喪失」の記憶について、辛いながらも向かいあう事が出来ると考えたからです。亡くなった子供をよみがえさせたいという感情と、成仏して欲しいという感情は、まったく正反対の位置にありながらも、常に榎本はそれを持ち続けてきました。写真という手段は、そのアンビバレント(ambivalent)な欲望を1時的に実現できるツールであるとも彼女は考えたからです。

展示概要

子供が生前使用していたおもちゃ・服を撮影した写真 A2サイズ 18枚、A0サイズ 4枚(予定)
子供が通学していた保育園までの道のりと住んでいたマンション室内の写真 A3ノビ 20点程度(予定)

*インクジェットプリント額装なし

*当展示は、2017年8月8日(火)〜13日(日) にRoonee 247 Fine Arts(東京小伝馬町)で開催され、6日間で約600名が来訪した展示を再構成したものです。

 

 

会期中の作家在廊予定

作家榎本は、2月16日(金)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)、26日(月)、27日(火)に在廊予定です。在廊予定に変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。

2月24日(土) の開廊時間について

2月24日(土)は有料イベント開催のため、13:30〜15:30はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、13:30まで、または15:30以降にお越しください。
*当日は、13:30に一旦ギャラリーをクローズし、13:50から有料イベントの受付・入場を開始します。

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野村佐紀子 写真展「Ango」

photo by Sakiko Nomura

展覧会概要

タイトル:「Ango」

作家名:野村 佐紀子

会期

2017年12月22日(金)〜2018年1月30日(火)

休廊日

12月29日(金)〜1月5日(金)、1月10日(水)、11日(木)、17日(水)、18日(木)、24日(水)、25日(木)
*12月の休廊日が通常と異なります

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜・祝日 11:00〜17:00

協力

写々者マッチアンドカンパニーPOETIC SCAPE

展示概要

 『Sakiko Nomura: Ango』は1946(昭和21)年に発表された坂口安吾の短編小説『戦争と一人の女』【無削除版】に、野村佐紀子が撮影した写真作品を加え、新たに編集し造本した “書物”です。その出版記念として、収録された作品に加え、野村佐紀子が新たにプリントした多重露光プリント他、今回の展示のための特別作品を交えて展示いたします。

 

 

会期中の作家在廊予定

野村佐紀子さんは、初日12月22日(金)、対談がある1月20日(土)に在廊予定です。初日12月22日(金)は、レセプション(入場無料)も開催予定です。在廊予定に追加・変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。

1月20日(土) の開廊時間について

1月20日(土)は有料イベント開催のため、15:30以降はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、15:30までにお越しください。
*当日は、15:30に一旦ギャラリーをクローズし、15:50から有料イベントの受付・入場を開始します。

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松原豊写真展「Local public bath」

展覧会概要

タイトル:「Local public bath」

作家名:松原 豊

会期

2017年12月1日(金)〜12月12日(火)

休廊日

12月6日(水)、7日(木)

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 11:00〜17:00

作品説明

 銭湯愛好家である中学生時代の同級生との再会をきっかけに、三重県にあるLocal public bath(銭湯)の撮影を続けています。男風呂と女風呂で銭湯絵が極端に異なっていたり、タイルの模様がとても個性的だったりする面白さがあり、また使い続けられた場所特有の、例えば壁面のひび割れたタイルのように時間経過を感じる部分も多く、大きな魅力を感じています。

 撮影には4×5インチの大型フィルムカメラを使用。デジタルカメラでの撮影と比較すると、遥かに多くの時間がかかる撮影ですが、絞りを絞ってゆっくりと光を吸収する行為で生まれてくる細密描写の世界は、見る目を楽しませてくれます。

 お客様を迎え入れる前の堂々とした「Local public bath」の姿を是非ご覧下さい。

松原 豊

展示概要

大型出力プリントでの展示を予定

 

 

会期中の作家在廊予定

作家松原は、12月1日(金)、3日(日)、5日(火)、8日(金)、10(日)、12日(火)に在廊予定です。(12月2日(土)、4日(月)、9日(土)、11日(月)は不在です)在廊予定に変更がある場合は、facebook、twitterでお知らせします。

12月3日(日) の開廊時間について

12月3日(日)は有料イベント開催のため、13:30〜15:30はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、11:00〜13:30、または15:30〜17:00にお越しください。
*当日は、13:30に一旦ギャラリーをクローズし、13:50から有料イベントの受付・入場を開始します。

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ギャラリー再開1周年記念トーク

ギャラリー再開1周年記念トーク「gallery 176の1年、写真表現の“いま”、そしてこれから」

*今回のトークイベントは、松原豊写真展「Local public bath」の会期中に開催しますが、同写真展とは別のイベントとなります。

開催概要

 昨年2016年の秋に再開したgallery 176は、何を表現してきたのか?ギャラリー再開1周年を記念し、ギャラリーのこの1年の活動を振り返るとともに、多様化する現代写真の動向について考え、これからのgallery 176のあり方について考えます。ゲストは、昨年秋の再開時のイベントにも立ち会った、写真評論家のタカザワケンジ氏。

 gallery 176の運営メンバーの展示のほか、森山大道展などの企画展、台湾フォトへの出展など、これまでのギャラリーの活動を振り返り、世界的に盛んにありつつあるフォトフェアやフォトフェスティバル、写真集ブームなどの話題をからめつつ、写真の“いま”について語り合います。そして、これからのgallery 176について、みなさんからの意見も伺いながら考えてきたいと思います。

開催日

2017年12月3日(日) 17:30〜19:00

出席者

タカザワケンジ(写真評論家)、gallery 176 運営メンバー

料金

1,000円(1ドリンク付き)

*同日の松原豊写真展「Local public bath」関連イベント/トークライブ「地方銭湯のおもろいところ」にご参加の方は、900円に割引させていただきます。
*終了後、会場の外で懇親会(有料)を予定しています。

申し込み方法

こちらのフォームからお申し込みください。

*料金は当日会場にてお支払いください/当日は17:20からイベントの受付を開始します。

≫ お申し込みフォーム

尾﨑ゆり写真展「88」

展覧会概要

タイトル:「88」

作家名:尾﨑 ゆり

会期

2017年11月17日(金)~11月28日(火)

休廊日

11月22日(水) *休廊日が通常と異なります

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜・日曜・祝日 11:00〜19:00
*開廊時間が一部通常と異なります

作品説明

日本の中心から離れた場所、四国。

1200 年続く1400kmの巡礼、四国霊場88ヶ所、通称「お遍路」。

88 は人が修行によって消せることができる煩悩の数。

弘法大師の足跡を追って、煩悩と同じ数の霊場を一つ一つ巡り、罪や心の痛みを一つ一つ取り除いていく。

私の心の中に占めていた痛みも少しずつ消えていく。

それを確かめるように、忘れないように写真に残す。

巡礼の道は人生そのものかもしれない。

今を生きているという実感をしながら、私はこの道の途中にいる。

尾﨑 ゆり

 

会期中の作家在廊予定

作家尾﨑は、11月18日(土) 12:00~、19日(日) 12:00~、23日(木・祝) 11:00~、25日(土) 時間未定、26日(日) 11:00~に在廊の予定です。在廊予定に変更・追加がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

11月18日(土) の開廊時間について

11月18日(土)は有料イベント開催のため、14:30以降はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、14:30までにお越しください。
*当日は、14:30に一旦ギャラリーをクローズし、14:50から有料イベントの受付・入場を開始します。

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髙津吉則写真展「REPLICAS」

展覧会概要

タイトル:「REPLICAS」

作家名:髙津 吉則

会期

2017年10月27日(金)〜11月7日(火)

休廊日

11月1日(水)、2日(木)

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜・祝日 11:00〜17:00

作品説明

1万人のコスプレイヤーが集う日本橋ストリートフェスタ。そこに謎めいたエネルギーを感じた私は、美しく妖しい彼女達の世界に侵入してその謎を解きたいと思った。<自分探し>が徒労に終わるこの時代、<自分隠し>には魂を開放させる術が隠されているに違いない…との直感を頼りに。

運良く異世界に侵入できた私は、彼女達の美しさを写真で表現すると共にその心情を理解しようと努めた。

見聞きするすべてに驚愕する私に向け、第二次世界大戦を舞台としたエロゲーの素晴らしさを語る彼女が発した一言。それは謎解きのヒントなのかもしれない。

「世の中が狂ってる時代には狂ってるヤツのほうがまともかもしれないでしょ。」

彼女達が生きようとする〈もうひとつの国〉。写真展はその国の美しさに魅せられて迷い込んだ私の3年間に及んだ謎解きの旅の記録でもある。 

髙津 吉則

展示概要

カラー・インクジェットプリント A3〜B1 計35点

 

会期中の作家在廊予定

作家髙津は、10月27日(金)・28日(土)・29日(日)は終日、30日(月)・31日(火)は15:00以降、11月3日(金・祝)・4日(土)・5日(日)・7日(火)は終日在廊の予定です。在廊予定に変更・追加がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

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金村修、タカザワケンジ展「写真史(仮)」

(C)金村修「Animals (For Garry Winogrand)」(映像作品)より

(C)タカザワケンジ(写真はイメージです)

展覧会概要

タイトル:「写真史(仮)」

作家名:金村修、タカザワケンジ

会期

10月8日(日)〜10月22日(日)
*通常とは会期初日・最終日が異なります

休廊日

10月11日(水)、12日(木)、18日(水)、19日(木)

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜・祝日 11:00〜17:00
*10月14日(土)は有料イベント開催のため、イベント参加者以外の方の入廊時間が11:00〜13:00となります。ご注意ください

作品説明

「写真史というのは、時代と状況によって絶えず解釈し直される『写真史(仮)』という形でしか、存在できないのではないだろうか。」(金村修)。

今年2月に刊行された、金村修、タカザワケンジ著『挑発する写真史』(平凡社)の「まえがき」一節である。『写真史(仮)』は同書のタイトル案の1つでもあった。

金村が述べているように、歴史はつねに現在の視点で書き直される(仮)のものでしかない。今回の展示ではその(仮)でしかない写真史をテーマにする。

展示概要

展覧会場では、金村修による映像作品「Animals (For Garry Winogrand)」と写真作品1点(大阪巡回展のみ)と、タカザワケンジによる『挑発する写真史』に関連する写真展示「偶然の写真史」を行います。

また会期中、二人によるレクチャー「その後の仁義なき挑発する写真史 大阪死闘篇」を開催します。

*当展示は、2017年5月16日(火)〜6月3日(土) alternative space「The White」(東京神保町)で行われた展示を再構成したものです。

 

会期中の作家在廊予定

作家 金村氏、タカザワ氏は、有料イベント開催日の10月14日(土)のみ在廊の予定です。在廊予定に変更・追加がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

10月14日(土) の開廊時間について

10月14日(土)は有料イベント開催のため、13:00以降はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、11:00〜13:00の間にお越しください。
*当日は、13:00に一旦ギャラリーをクローズし、13:20から有料イベントの受付・入場を開始する予定です。

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布垣昌邦写真展「青の時代」

展覧会概要

タイトル:「青の時代」

作家名:布垣 昌邦

会期

2017年9月9日(土)〜9月24日(日)
*通常とは会期初日・最終日の曜日が異なります

休廊日

9月12日(火)、13日(水)、14日(木)、19日(火)、20日(水)、21日(木)
*通常とは休廊日の曜日が異なります
*配布中のDM(案内はがき)に記載している休廊日の曜日の一部に間違いがありました。休廊日は火、水、木となります。ご注意ください

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜・祝日 11:00〜17:00

作品説明

37年間、私が生きてきた街『茨木』で根を張って写真を撮り続ける事10年。多くの街を撮影してきたが、私にとってこの街は撮り難く写らない。自分の聖地である場所が写らないという事に、写真家である自分に疑問を抱えて10年間の撮影を繰り返してきた。今思う事は、その問答を込めたものが私の写真ではないか。模索することを受け入れた上で、写真の可能性を考えた時、気が楽になり、続けていこうと決意した。私の一年発起、青の時代2007年から2017年の記録である。

布垣 昌邦

展示概要

カラー写真 大四切21点、全紙3点 展示予定

 

会期中の作家在廊予定

作家布垣は、9月10日(日)、17日(日)、18日(月・祝)、23日(土・祝)、24日(日)に在廊の予定です。在廊予定に変更・追加がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

9月17日(日) の開廊時間について

9月17日(日)は有料イベント開催のため、15:30以降はイベント参加者以外の方は入廊することが出来ません。大変申し訳ございませんが、作品を鑑賞される場合は、15:30までにお越しください。
*当日は、15:30に一旦ギャラリーをクローズし、15:50から有料イベントの受付・入場を開始します。

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西川善康写真展「こどもかるた」

展覧会概要

タイトル:「こどもかるた」

作家名:西川 善康

会期

2017年7月28日(金)〜8月8日(火)

休廊日

8月1日(火)、2日(水)
*通常とは休廊の曜日が異なります

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 11:00〜17:00

作品説明

 2004年に長男が生まれてから十数年、日々、こどもたちの写真を撮り続けています。

 最初は男の子一人で、ゆっくりと成長を追いつつシャッターを切っていました。その3年後、二人目の男の子が生まれ、兄弟同士遊ぶ姿、けんかする姿を楽しみながら撮っていました。そのまた3年後、今度は女の子が生まれ、大人(親)2人に対し、こども3人と、常に人手が足りない状態となり、ばたばたとした日々が続く中、なんとか時間を見つけて写真を撮っています。

 こどもたちとは一人の人間として対等に接し、正面から(時には背面から)見つめ、ゆっくりとシャッターを切るようにしています。

 こどもたちの写真は、ブログ「たろうすs.net」に、短いコメントと共に日々アップしていました(現在休止中)。これらの写真と言葉をまとめ、「こどもかるた」と題して展示します。

西川 善康

 

*「たろうすs.net」:男の子二人の時のタイトルは「たろうs.net」/2007年12月31日から2012年8月25日まではほぼ毎日・もしくは数日おきに更新、2014年1月1日まで不定期更新、その後は休止状態

会期中の作家在廊予定

作家西川は、会期中ほぼ全日在廊の予定です。在廊予定に変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

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友長勇介写真展「写真素志」

展覧会概要

タイトル:「写真素志」

作家名:友長 勇介

会期

2017年6月30日(金)〜7月11日(火)

休廊日

7月5日(水)、6日(木)

開廊時間

平日 13:00〜19:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 11:00〜17:00

作品説明

日本各地で撮影したモノクロ写真約20枚を展示予定

作品解説

 このギャラリー176が生まれ変わって約10ヵ月が経過し、様々な企画で人々が集まってきた。良い水の流れが、泉から湧き出すように…。友長勇介はじめ、ギャラリーの同人メンバー達の動きも堂に入ってきた。さて、ここらでオーナー役の友長は自己の写真歴の原点から続く素志をみずからに再注入すべく、その意を強く掲げて「写真素志」と題した展示を開催する。同年代の写真家達の活躍から刺激も受け、創り上げた表現の場を磨き上げるためにも、漆黒の闇から降り注ぐ光までを、印画紙に閉じ込めたプリントの世界を披歴するのだ。暗室で浮かび上がる小宇宙を見続けてきた眼、その視座はゆるぎない。

 今回の展示、選び出された作品を観て、いきものたちのとどまった呼気のような、不思議な雰囲気を感じる。印画のなかに固定された、ヒトも鳥も獣も風景すら、独特の柔らかなフォルムのなかで、滲み出るような生死をしずかに発散させている。時刻、時間や、写真世界が免れ得ない時代性までも、もしかすると稀薄な真空のかなたへ、飛ばしてしまう空間が現出するかもしれない。いうまでもなく、銀塩写真の緻密な粒子が、絶妙の諧調を生み出す。実は、この技法にこそ20世紀のトータルな美が、凝縮しつつあるような気がする。手のかかる、時間を要するゆえに、獲得される美には確固たる主張がある。その存在には、やはり他に代えがたい重厚な魅力が内在されている。                         

 写真のおおよそ200年の歴史は、21世紀に入って大きく変化しつつある。あいかわらず社会に溢れ出る写真の星々は、ブラックホールに吸い込まれていく。だが、ここに表現の場を求めた写真作家たちは自分たちの全存在をかけて写真を創りつづける。個々人の独創をのせた写真表現がたどりつく地平を、われわれ鑑賞者も視座を磨いて観つづける努力を怠らないように…。そして、ギャラリーから気に入ったプリントを自分の手元に引き寄せて、日々眺め入る至福を多くの人々に味わっていただきたい。

石井仁志(写真評論・メディアプロデューサー)

 

会期中の作家在廊予定

作家友長は、会期中ほぼ全日在廊の予定です。在廊予定に変更がある場合は、Facebook、Twitterでお知らせします。

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